YKKAPが2017年度から進めている性能向上リノベーションプロジェクトの一環として、京都市内の町家「京都 醍醐寺の家」を紹介した。同社は平安建材(京都市)と連携し、断熱・耐震性能に加えIoT(モノのインターネット)機器も導入することで新築住宅の基準を超える性能を実現した。
平安建材は、空き家となっている町家再生に取り組んでおり、今回の醍醐寺の家が17軒目。町家再生のために工務店や設計事務所、メーカーなどと連携し、京ぐらしネットワークを立ち上げた。京都市の景観規制や建築基準法をクリアしながら、外装ごと一度にリノベーションすることで劣化対策や工期短縮が可能となり、コスト縮減にもつながるとしている。25日に開かれた報道陣向けの見学会で中村憲夫社長は「古い町家でも最新の生活ができることを体感してほしい」と語った。
YKKAPは、1階の大開口部に樹脂窓とフレームが一体化した『FRAMEII』を、2階のこども部屋に外窓と内窓を合わせた2重窓などを採用している。断熱材も各部屋で仕様を変えている。これらにより冬の体感温度13度以上をキープする「HEAT20G2」クラスと震度6強に数回耐えることができる「耐震等級3」を実現した。
ヴェックスは、スマートスピーカーと連携することで家電や給湯器、ドアなどをまとめて操作できる。家具や雑貨はイノブン(京都市)が協力しており2階のこども部屋の内装デザインも担当している。
醍醐寺の家の規模は木造2階建て延べ94㎡。11月中の完成を目指している。場所は京都市伏見区醍醐西大路町79-1。