鹿島北陸支店の協力会社組織の鹿島北陸事業協同組合は22日、新潟市の新潟工業高校で、土木科の2年生37人を対象に体験型の出前授業を実施した。担い手確保に向けて、専門工事業の魅力ややりがいを伝えることが狙いで、同組合で初の取り組み。参加した生徒たちは慣れない作業に悪戦苦闘しながらも、ものづくりを支える専門工事業の仕事を肌で感じ、理解を深めていた。
冒頭、北陸鹿世会の会長を務める平川塗装の平川由博代表取締役があいさつし、「われわれが普段やっている仕事の一部を楽しんで体験して、少しでも専門工事業に興味を持ってくれたらうれしい」と呼び掛けた。
校内には塗装、型枠大工、内装仕上げ、鉄筋、建築、電気、とび・土工、鉄骨の8職種のブースを用意。生徒たちは各班に分かれて事前に選択した4職種のブースを巡り、職人から手ほどきを受けながら普段は体験できない専門工事業の作業に挑戦した。
各ブースでは水性塗料の塗装や型枠の建て込み、ボード張り、鉄筋結束、くさび式足場の組み立て、配線取り付けなどに取り組んだ。モルタルの手練りや鏝(こて)均らしのほか、CADを使った鉄骨一般伏図の作成、ハーネス型安全帯の試着、危険予知に関するVR(仮想現実)なども体験した。
足場の組み立てを体験した生徒は「作業する人の安全を支える大事な仕事だと感じた。緊張したが楽しかった」と感想を述べた。
同組合は5月に担い手確保活動グループを発足。これまで高校生を対象とした現場見学会や専門工事会社の説明、作業体験などを始め、高校教員との意見交換なども実施し、専門工事業への入職促進に向けた取り組みに力を入れている。出前授業もその一環で、2020年以降も同様の活動を検討しているという。