ライト工業は、京都府舞鶴市にある「西舞鶴道路今田北地区改良工事」の現場でICTバックホウドリル「リモートスカイドリル」による省人化施工の見学会を開いた。工事の発注者である近畿地方整備局のほか、京都府、京都府下自治体の職員、施工企業、コンサルタントの社員ら計25人が参加した。
同工事では、舞鶴市京田と同上安をつなぐ西舞鶴道路(4.9㎞)の整備のうち、今田地区の掘削、法面整形、残土処理、植生基材吹付、鉄筋挿入を行っており、鉄筋挿入工の削孔において、リモートスカイドリルを活用している。
見学会では、沖野友康作業所長の工事概要説明に続き、ライト工業本社開発本部機械部開発担当の中田隼氏がリモートスカイドリルの技術を解説。「削孔作業は従来3人の作業員を要する。この技術により省人化が図られるほか、狭小現場での施工が可能で、経済面、環境面でも効果を発揮する」と述べた。
また、和平好伸執行役員西日本支社長は「施工位置への誘導も3Dでできる。いずれは国土交通省が推奨する点群データを利活用したICT施工管理の下で出来形管理書類の効率化も図りたい」と展望を語った。
視察した松本裕之近畿地方整備局福知山河川国道事務所工務第二課長は「建設業の労働者不足を解消するため、当局では機械化施工、ICT施工の導入を推し進めている。和平支社長からは、点群データの活用という話があったが、将来は設計段階から施工、管理段階まで使っていくことになるだろう。きょうの見学会ではその一端を肌で感じてほしい」と呼びかけた。
当日はリモートスカイドリルによる施工見学のほか、VRヘッドマウントディスプレー(HMD)を活用した安全教育の体験も行った。同社が開発したVR(仮想現実)コンテンツを使い、高所足場作業や法面作業の注意点をリアルな映像とクイズ形式で解説するもので、体験者は「文章で学ぶより理解しやすい」「事故が発生する瞬間は怖いくらいリアル」と話していた。