【国難災害対応マネジ研】NIMS構築へ議論 国難災害に対応できる体制や国家的な組織づくりが必要 | 建設通信新聞Digital

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【国難災害対応マネジ研】NIMS構築へ議論 国難災害に対応できる体制や国家的な組織づくりが必要

 国難災害対応マネジメント研究会(武田文男会長)は11月27日、東京都港区の政策研究大学院大学で第2回研究会を開いた。内閣府や国土交通省、地方自治体、民間企業関係者ら54人が参加し、国家としてあらゆる緊急事態に対応するための標準化システム「NIMS(National Incident Management System)」構築に向け、今後の研究会の進め方について議論を交わした。
 冒頭、武田会長は「首都直下地震や南海トラフ地震など、国難とも言える災害に対して戦略レベルの危機対応体制が求められている。(日本では)これまでも災害対策の標準化に取り組んでいるが具体的には進んでいない。国難災害に対応できる体制を構築するためには、国や地方自治体、企業などが連携する必要がある」と力を込めた。
 米国版NIMSでは、連邦政府や州・自治体、非政府機関などが緊急時何をするかあらかじめ定めている。「FEMA」という組織の指令のもと、それぞれ分業体制で災害対応に当たる。
 林春男副会長は緊急時に備えた組織のあり方について「対策立案や現場対応をどのように行い、どのような組織体制をつくるかが重要な検討ポイントだ。都道府県や市町村も含めた日本政府全体、もしくは民間も加えた組織づくりが理想的だと思う」と指摘。
 林副会長の意見に対して兵庫県庁の計倉浩壽広域防災参事は「(兵庫県も所属する)関西広域連合では、強固な災害対応体制を国で取ってもらうため『防災庁』の創設を要請している」と語った。
 今後は、米国が採用する災害対応のシステムを取り入れながら日本版NIMSを構築し、最終的には政府機関に対して国家的な組織づくりを促す方針だ。

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