【吉野町煉瓦倉庫】美術館を核とする文化施設に 既存施設をできるだけ残し改修 | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【吉野町煉瓦倉庫】美術館を核とする文化施設に 既存施設をできるだけ残し改修

会見した(左から)南條氏、葛西市長、平出社長、田根氏

 青森県弘前市にある吉野町煉瓦倉庫を芸術文化交流拠点として改修・運営するために設立されたSPC(特定目的会社)の弘前芸術創造(平出和也社長)は11月27日、同倉庫の建築改修プランを公表した。2020年春のオープンを目指している。
 同事業は、国内で最初にシードルを手掛けたとされる同市大字吉野町にある旧吉井酒造の吉野町煉瓦倉庫を、約42億円の事業費を投じて美術館を核とする文化施設に改修し、中心市街地を目指すもの。
 倉庫はれんが一部木造2階建てで、A-Cの3棟からなり、総延べ床面積は3933㎡の規模となる。
 改修プランによると、このうちA棟と、棟続きのB棟は大型空間を生かした展示室や制作スペースなどを設ける。C棟は「シードル・カフェ」として再生する。
 改修のコンセプトは“記憶の継承”とし、経年によって傷んだ外壁をすべて赤れんがで覆うことで、耐震補強を行う中でも既存施設をできるだけ残す方針。また、「シードル・ゴールド」の屋根葺を採用し、光によって移ろう屋根の輝きが新たな美術館をイメージさせる計画だ。

外観模型写真

 弘前市のプロポーザルで事業者に選定されたSPCは、スターツコーポレーションを代表企業とし、大林組とスターツCAM、南建設、西村組、スターツファシリティーサービス、NTTファシリティーズ、エヌ・アンド・エーで構成。NTTファシリティーズ東北が協力企業として参画。
 事業に当たっては、事業マネジメントをスターツコーポレーション、建築設計を田根剛氏(ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS主宰)、設計統括はNTTファシリティーズとNTTファシリティーズ東北、構造設計は大林組とスターツCAMなど、施工は大林組などが担当する。
 この日の会見には、葛西憲之市長と平出社長、建築家の田根氏、総合アドバイザーを務める森美術館(東京都港区)の南條史生館長が出席。
 席上、田根氏は「国内で美術館の設計を手掛けるのは初めてであり、チャレンジだ。ここでしかみることのできない世界のアートが体験できる美術館となる。オープンを期待していてほしい」と意気込みを語った。

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