新潟県は、総合防災情報システムを再構築し、9月末から新システムの本格運用を始めた。災害時に県や市町村から集約した膨大な関連情報の一覧性が高まったほか、バックアップ機能も向上した。災害情報の的確な把握が可能となることで災害対応の迅速化につながり、早期の避難指示や被害の最小化に貢献する。
総合防災情報システムは、災害時の防災情報の収集や共有、配信が主な機能。県や市町村、北陸地方整備局など関係機関が被害情報や災害対応情報を入力・閲覧でき、蓄積された情報を基にLアラートや防災ポータル、ツイッターなどで市民に避難情報などが伝えられる。
今回の再構築ではシステム構成のうち、災害情報システムや現場映像情報収集システム、防災ポータルシステムをクラウド化した。インターネット環境を通じて市町村や関係機関からのアクセスも容易になったほか、クラウド化により被災した場合のバックアップ機能も高まった。
2020年度からはリニューアルした現地映像情報収集システムの運用も始める予定。スマートフォンやタブレットのアプリケーションから被災現場の写真と状況説明を総合防災情報システムにアップロードすることで、位置情報と紐付けられた地図上のデータを県庁や各地域振興局から即時に確認できる。現地確認に向かう自治体職員や災害対応に当たる建設業者の活用を想定している。
従来のシステムは09年から運用していたが、システムの機能維持や、災害時の大量の情報の取捨選択などに課題があり、再構築に至った。市町村からも「以前より使いやすい」などの反応があったという。県は今後も市町村の防災担当職員向けに研修を開き、活用への周知を図る。