【卒業設計】最優秀に芳賀さん「都市をたたむ」 JIA東北がコンクール公開審査 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【卒業設計】最優秀に芳賀さん「都市をたたむ」 JIA東北がコンクール公開審査


 日本建築家協会東北支部(JIA東北、鈴木弘二支部長)は28日、仙台市内のせんだいメディアテークでJIA東北学生卒業設計コンクール2017公開審査会を開いた。応募のあった9作品の中から最優秀に芳賀瑞穂さん(東北大工学部建築・社会環境工学科)の「都市をたたむ」、優秀賞には長谷川周平さん(日大工学部建築学科)の「保原駅・前~文化と生業がつくる連続体」をそれぞれ選定した。両作品は6月24日に東京都新宿区の新宿アイランドで開かれるJIA全国学生卒業設計コンクール2017に出品する同支部選抜者として推薦される。
 審査は、委員長を務める鈴木支部長を始め、JIA東北の各地域会長ら7人が担当。公開審査会では、制作者によるプレゼンテーションを踏まえた各審査員の投票で最優秀と優秀の両賞受賞作品を選定した。
 最優秀の「都市をたたむ」は、約10年前に盛岡環状線道路拡幅工事で盛岡市仙北町内の商店街の一部店舗や住宅が取り壊されたことにより、まち全体の活気が失われたと問題提起。道路拡幅計画を踏まえて省スペースながらも拡幅前の店舗や住居機能を確保し、開放的な建物を提案した。
 具体的には、道路拡幅により、道路に面した敷地が縮小するため、建物内部はスキップフロアを採用し、限られたスペースを有効活用するとともに、道路側のファサードを大きく取り、あえて生活感を見せることで、開放的なつくりを道路景観に生かすデザインとしたアイデアだ。
 表彰式では、鈴木支部長が受賞者に選ばれた芳賀さんと長谷川さんに表彰状を手渡し、栄誉をたたえた。続いて、各審査員が審査講評を述べた後、鈴木支部長が「全国大会は短い時間で闘わなくてはならないが、参加者らはコンセプトを非常に良くまとめている。今回の審査を教訓に全国でもがんばってほしい」とエールを送った。
 最優秀と優秀賞以外の出品者と作品名は次のとおり(敬称略)。
 ▽加藤瑞希(秋田工業高専建築・都市空間研究室)=都市スケール化されたBar的空間による表現の場所化~秋田市有楽町地区の映画街の再興と文化発信施設の提案▽佐藤智哉(仙台高専建築デザイン学科)=継ぐ建築~最期と集落の再構築▽星愛(東北学院大工学部環境建設工学科)=てとりす~学生とまちをつなぐ横丁▽鶴宮梨恵(東北工業大工学部建築学科)=芽吹く町▽渡辺紗彩子(宮城学院女子大学芸学部生活文化デザイン学科)=緑化商店街~杜が拡がる街を目指して▽野里祥恵(宮城大事業構想学部デザイン情報学科)=銭湯を利用したエリアマネジメント事業の提案~八戸市白銀地区における清水湯三島湯再生計画▽山田玲衣(東北芸術工科大デザイン工学部建築・環境デザイン学科)=消滅するまちの形態。