【建設業の未来を繋ぐ】全国建設青年会議「第24回全国大会」開催 「働きたい建設業」へ方策探る | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【建設業の未来を繋ぐ】全国建設青年会議「第24回全国大会」開催 「働きたい建設業」へ方策探る

 全国建設青年会議は6日、東京都新宿区のリーガロイヤルホテル東京で第24回全国大会(主管・九州建設業青年会)を開いた。大会テーマは「子供たちへ建設業の未来を繋ぐために-『働きたい建設業』をつくる-」。多くの若い人材が志を持って入職する建設業を目指し、課題について話し合った。

◆就労環境改善、魅力発信を両輪に/志を持った若者の入職目指す
 冒頭、大会会長を務める高野大介熊本県建設業協会青年部会長は「今後、災害の激甚化が予想されている。それに伴い、地域の建設業が担う役割も大きくなっているが、深刻な人手不足で存続が危ういのが実情だ。この大会を、官民一体となって、人材を引き付ける魅力のある『誇れる建設業』に変化するための学びの場としたい」と趣旨を説明した。

高野会長

 続いて、来賓の赤羽一嘉国土交通相が「社会資本整備や国土強靱化という尊い使命を皆さんがまっとうできるよう、予算確保に努力する」、足立敏之参院議員が「補正予算で公共事業には1兆6000億円ほどが割り当てられる見込みだ。市町村規模で工期の平準化などに努力し、インフラを海外に負けないレベルに上げるよう協力していきたい」と祝辞を述べた。
 あいさつの後、山田邦博国交省技監が「『働きたい建設業』に向けた国土交通省の取り組み」と題して特別講演した。山田技監は、i-Construction大賞の公募形式を変更して中小企業へのi-Con浸透を促進していることや、国庫債務負担行為の活用による地方自治体の発注平準化などの取り組みを説明した。
 体験型の土木イベントをプロデュースする「噂の土木応援チームデミーとマツ」(出水享氏、松永昭吾氏)の基調講演「デミーとマツ式 伝わる土木広報」が行われた。

基調講演する出水氏(左)と松永氏

 両氏はまず土木イベントの広報効果について「メインターゲットは小学生にする。小学生参加だと同行する保護者が真剣に聞く上、保護者に『自分の子が大人になったころ』という視点があるので、土木の長期的な意義をイメージしやすいため」「非建設人にとって、現場は囲いで囲われて見えない非日常でフォトジェニック。さらに子どもの写真を撮りやすい場面をイベントに盛り込み、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で拡散しやすい写真を親に撮ってもらう」など参加者目線の重要性を指摘した。
 よくある失敗例と対策として「主催者は内容を盛りだくさんにしたくなるが、してはいけない。アピールポイントは、参加者が『土木イベントに参加してみたら、ここがすごかった』と知人・友人に話しやすくするため、1つにしぼる。参加者の事後アンケートに『職人さんのこの技がすごかった』などと、書いてもらいたい内容を想定・逆算してイベントを組み立てるべき」と説いた。
 最後に、「『働きたい建設業』をつくる」をテーマにパネルディスカッションした。コーディネーターとして出水氏と松永氏、パネリストに高野会長、事業構想大学院の田中里沙学長、国交省の東川直正官房技術審議官が参加した。

「『働きたい建設業』をつくる」をテーマにパネルディスカッションした

田中学長

東川技審

 田中学長は「わたしのようなバブル期に若者だった人間と比べ、いまの若者は『チームで取り組む』『人の役に立つ』ことを重視している。それを実感しやすい点は建設業の強みになり得る」と指摘した。
 これを受けて高野会長は「地域建設業では、チームに現場の周りの地域住民を含めて考えるべきかもしれない」と、東川技審は「わたしが業界に入った当初は、堤防や建築物など造った物そのものを宣伝していたが、いまはつくった物のもたらす社会的価値の宣伝に注力すべき」との見解を示した。

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