【"引き算"の発想】大成建設と新潟精機 小型・軽量の計測工具「くるくるメジャー」を共同開発 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【“引き算”の発想】大成建設と新潟精機 小型・軽量の計測工具「くるくるメジャー」を共同開発

 大成建設は、建設工事での計測作業に適した小型・軽量の汎用型スチールメジャー「くるくるメジャー」を開発した。建設現場で日常的に使用されているコンベックスや巻き尺など市販メジャーの課題であった現場での持ち運びや計測作業における扱いにくさを解消。目盛の視認性にも大きな特徴がある。計測作業の効率化を促すツールとして注目されることになりそうだ。 測定工具などの製造メーカーである新潟精機(五十嵐利行社長)と共同で開発した。

新潟精機が「スパイラルメジャー」として一般向けの販売を予定している

 AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)に代表される建設技術の高度化や工法の進化によって、建設現場の「合理化」や「省人化」への動きは一段と加速しているが、建設現場にとって必須かつ基礎的な技術であるはずの「計る」あるいは「測る」ための計測工具にほとんど進化が見られないことに着目。
 従来の「大きい」「重い」といった計測工具の常識の打破と、現場での使いやすさを追求する中で、機能付加による足し算とは真逆の“引き算”発想で「くるくるメジャー」を完成させた。
 最大の特徴はコンベックスやクロス式ロッドなど、これまで使われてきた計測工具の重さを解消している点だ。
 より丈夫に、より頑丈にという機能付加によって重厚なつくりとなっていたコンベックスの収納ケースを廃すことで、徹底した軽量化を実現。メジャー伸長を固定するスライドパーツにマグネットを取り付けることで、計測したい部分に貼り付けることもできる。
 新潟精機の強みである視認性の高い目盛をメジャーの両面に採用。これまでとは比べものにならない高画質な写真を撮影できる現状からすれば、例えば、配筋の記録写真であっても画像の拡大によって十分な視認性を得られる。
 組み合わせによって、複数用途での利用も可能。2つの「くるくるメジャー」を十字に取り付ければ、配筋写真を撮影する際のクロス式ロッドの代替としても活用できる。

現場での使用イメージ

 軽量・コンパクトで扱いやすい「くるくるメジャー」は、女性を中心とした現場の潜在的ニーズに応えるお手軽ツールになる。その扱いやすさから計測作業の効率化に直結する点を踏まえれば、焦点となっている生産性の向上や働き方改革の推進にも役立つ。
 収納ケースがないシンプル構造だけに市販品の5分の1という低価格を実現。建設業の従事者だけでなく、一般ユーザーへの普及も見込む。

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