【復興特別版】仙台湾南部海岸の復旧完了! 堤防29㎞"粘り強い"構造に | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

公式ブログ

【復興特別版】仙台湾南部海岸の復旧完了! 堤防29㎞“粘り強い”構造に

復旧工事が完了した仙台湾南部海岸(写真提供・東北地方整備局仙台河川国道事務所)

 東北地方整備局仙台河川国道事務所は3月31日、東日本大震災の津波により被災した仙台湾南部海岸の復旧工事がすべて完了したと発表した。復旧延長は29㎞で、津波に対して“粘り強い”構造を採用した。また、これに伴い2011年9月から継続してきた警戒体制(海岸)を解除した。
 同海岸は仙台市から宮城県山元町までの延長約60㎞にわたる砂浜海岸で、背後に仙台都市圏があり、商工業が集積。想定を大きく上回る津波は海岸堤防を乗り越え、沿岸地域に甚大な被害をもたらした。
 同整備局は堤防復旧延長約46㎞のうち、既設直轄区間12㎞と、宮城県から権限代行要請を受けた17㎞の計29㎞を担当した。震災2年後の13年3月までに仙台空港や南蒲生浄化センターなどの前面約5㎞を緊急整備区間として完成させ、その後、名取、岩沼、山元、仙台の各海岸の復旧を順次終え、31日付ですべての復旧が完了した。
 堤防は法尻部の強化や陸側法面へのかみ合わせ構造の採用、天端被覆工の補強などを行うことで、津波に対して粘り強い構造とした。
 また、仙台市の井戸浦地区堤防の一部には、多様な生物の生息環境である干潟への影響を抑えるため、盛土に比べて堤防法面の幅を狭くできるCSG(Cemented Sand and Gravel)工法を採用した。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら