日本建築学会九州支部は、2019年度第13回建築九州賞（作品賞）の選考結果を公表した。作品賞の住宅部門には「父母の家」、一般建築部門には「長崎県庁舎」など3作品が選ばれた。また、地域の建築についての独自の視点などを評価するJIA特別賞には「五ケ山クロスベース」を選考した。5月23日の支部通常総会で表彰する。
　建築九州賞は九州地方の建築水準の発展に貢献し学会と地域社会の交流を図ることを目的に、日本建築家協会（JIA）九州支部、同沖縄支部との共催で07年度に創設し、毎年募集・選考している。
　今回は住宅35、一般建築48の計83作品の応募があった。書類選考による1次審査、設計者のプレゼンテーションと審査員の質疑応答による2次審査（九州建築作品発表会）を経て、住宅4、一般建築9作品を第3次審査対象に選定した。
　その後、現地視察やクライアント、応募者に対するヒアリングによる最終選考で表彰作品を決定した。審査は同賞選考部会が担当し、場所性と環境を反映した建築提案、時代性を踏まえた企画力のほか、技術力、地域貢献などを基準にした。
　同支部では、1次選考を通過した36作品（住宅16、一般建築20）を収めた記録誌『九州建築選2019』を3月に出版する。自治体の建築関係部署を始め、図書館、美術館、建築系の教育機関など約650カ所に寄贈する。

　受賞作品の概要は次のとおり（(1)建築主(2)設計者(3)施工者(4)建設地(5)竣工年月(6)用途）。

　＝建築九州賞（作品賞）＝
　〈住宅部門〉
　▽父母の家＝(1)個人(2)松山建築設計室(3)政建設(4)鹿児島県奄美市(5)17年3月(6)戸建住宅。

　〈一般建築〉
　▽お倉が浜kidsクリニック＝(1)個人(2)松山建築設計室(3)協栄(4)宮崎県日向市(5)18年9月(6)診療所（小児科）、病児保育室、薬局。
　▽屋久島町庁舎＝(1)鹿児島県屋久島町(2)アルセッド建築研究所(3)時吉組、ヒラウチ建設、ヤクデン商事、啓南建設(4)屋久島町(5)19年3月(6)事務所（庁舎）。
　▽長崎県庁舎＝(1)長崎県(2)日建設計、松林建築設計事務所、池田設計(3)鹿島・上滝・堀内JV、堀内・小山・松崎JV(4)長崎市(5)17年12月(6)県庁舎。

　＝JIA特別賞＝
　▽五ケ山クロスベース＝(1)福岡県那珂川市(2)yHa architects(3)小柳技建(4)那珂川市(5)16年7月(6)店舗・飲食店。

　
　
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