【JR東海】リニア走行試験装置を小牧研究施設に新設 乗り心地向上や地震発生時の安全性などを検証 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

公式ブログ

【JR東海】リニア走行試験装置を小牧研究施設に新設 乗り心地向上や地震発生時の安全性などを検証

 JR東海は、開発を進めている超電導リニアに関して、車両走行をせずに模擬的な試験ができる「リニア走行試験装置」を、愛知県小牧市の小牧研究施設に新設した。工事費は約66億円で、6日から試験を開始している。乗り心地向上の確認や地震発生時の安全性などをより高いレベルで確認する。

試験装置の構成図

 走行試験装置には、山梨リニア実験線の走行試験で使用した車両を活用し、実物と同等の大きさ・重さの模擬編成を製作した。地上側の電磁加振装置に電流を流し、磁力で模擬編成を浮上させる。加振台で電磁加振装置などを横方向に揺らすことで、地震や軌道のズレで生じる車体の揺れを試験する。
 山梨リニア実験線では設定が困難だった異常状態や軌道のズレを模擬的に設け、車両・超電導磁石・地上コイルなど故障の予兆を検知する状態監視システムの構築に向けたデータ取得を進める。走行時の車両の揺れを再現し、空気バネやダンパーの設定などを変えて乗り心地を向上する。
 耐久性検証のため、リニア走行時特有の振動を、台車に取り付けた超電磁磁石に長時間与える。地震時の車両・地上設備の揺れを想定し、リニアの安全性を確認する。
 
 
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら