【トウキョウ建築コレクション2020】グランプリに池上氏(修士設計展)、岡本氏(修士論文展) | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【トウキョウ建築コレクション2020】グランプリに池上氏(修士設計展)、岡本氏(修士論文展)

 建築を学ぶ全国の修士学生による修士設計・修士論文を集め審査・展示する「トウキョウ建築コレクション2020」が、東京都渋谷区の代官山ヒルサイドテラスで2月25日から3月1日の6日間にわたり開かれた。
 ことしで14年目を迎えた同展は、「Re;collection」をテーマに、令和の時代を迎え、今後の建築、ひいては「日本とはどうあるべきか」を考える場を提示するものとして、注目を集めた。建築を学ぶ学生からなる実行委員会が主催し、建築資料研究社/日建学院が特別協賛する同展は、例年、多くの学生や建築、設計関係者でにぎわうが、ことしは、新型コロナウイルス対応で、審査委員と応募者のみでの開催となった。
 修士設計展(審査員長・長谷川逸子氏)には、70作品、修士論文展(審査員長・倉方俊輔氏)には31論文の応募があった。国内外で活躍する建築家らによる公開審査、討論会などを踏まえて、各賞が選定された。

長谷川審査員長(左)から表彰状を受ける池上氏

 白熱した論議の結果、設計展では東京芸大大学院の池上里佳子氏の「田中一村美術館-奄美を切り取る絵のない美術館-」、論文展では東大大学院の岡本圭介氏の「社会変容を背景とした建築家の新職能に関する基礎的考察-米国の事例を題材として-」がそれぞれグランプリに輝いた。

審査員(右)との質疑応答

 グランプリ、各審査員賞受賞作品は、東京を舞台に、社会に開いた建築文化づくりに大きな足跡を残した。

■全国修士設計展受賞者
【グランプリ1点、審査員賞5点】=敬称略
▽グランプリ
「田中一村美術館-奄美を切り取る絵のない美術館-」池上里佳子(東京藝術大学大学院 中山英之研究室)
▽長谷川逸子賞
「陶芸と建築」福田晴也(東北大学大学院 五十嵐太郎研究室)
▽藤村龍至賞
「入院して、転職する-一義的な建築における空間の多義性の獲得-」鈴木麻夕(東京理科大学大学院 西田司研究室)
▽マニュエル・タルディッツ賞
「噺場 oral history spots」須藤悠果(東京藝術大学大学院 中山英之研究室)
▽能作文徳賞
「滲み合うアンビエンス」中山陽介(千葉工業大学大学院 遠藤政樹研究室)
▽早部安弘賞
「水の現象を享受する棚田の建築-遷移する空間の設計手法-」勝山滉太(東京理科大学大学院 郷田桃代研究室)

■全国修士論文展受賞者
【グランプリ1点、審査員賞4点】=敬称略
▽グランプリ
「社会変容を背景とした建築家の新職能に関する基礎的考察-米国の事例を題材として-」岡本圭介(東京大学大学院 野城智也研究室)
▽倉方俊輔賞
「明治期の浅草仲見世通りにおける掛店から煉瓦仲店への転換と店舗空間の変容過程に関する研究」増子ひかる(東京理科大学大学院 伊藤裕久研究室)
▽前真之賞
「長野市における既存活用型高齢者施設の室構成の変化」有田一貴(信州大学大学院 寺内美紀子研究室)
▽山下哲郎賞
「曲がり木の組手仕口加工システム開発」増村朗人(慶応義塾大学大学院 松川昌平研究室)
▽山田あすか賞
「70年代ピーター・アイゼンマンの理論と実践:アカデミズムの系譜と活字媒体・写真による発信」星野拓美(東京大学大学院 加藤耕一研究室)
 
 
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