【安定性向上&使用範囲拡大】西松建設とアカサカテック マルチGNSSを地盤変位計測に適用 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【安定性向上&使用範囲拡大】西松建設とアカサカテック マルチGNSSを地盤変位計測に適用

 西松建設は、アカサカテック(横浜市、加瀬太郎社長)と共同でマルチGNSS(衛星測位システム)を地盤変位計測に適用した。西松建設の変位計測は、これまで米国GPS(全地球測位システム)信号だけを活用していたが、今回開発したモジュールは複数衛星システムの信号を利用して位置を測定することで、位置測定の安定性が向上し使用範囲の拡大が期待できる。また、傾斜計を併設しており地盤勾配の変化を計測可能とした。

試作機モジュール

 マルチGNSS受信機を使うことで、GPSに加えロシアのGLONASS(グロナス)、日本の準天頂衛星(QZSS)などの信号を選択して受信できるため、衛星の捕捉数や衛星配置に起因する測位衛星システム特有の誤差要因が少なくなるとともに、位置測定の安定性が向上し使用範囲の拡大が期待できる。
 測位衛星システムによる変位計測は、これまで落石や小動物の衝突による計測器の移動が変位として計測されることがあった。このような変位に対して、傾斜計の挙動と照合して実際の地盤変位との区別を推測できるようにした。
 変位、傾斜の計測値は、関係者が一般のブラウザで確認できる。さらに、計測値が閾値(いきち)を越えた場合はメール送信、パトライト点灯などにより警報を出せるようになっている。
 現在、解析衛星数の増加に対応したデータ処理環境の構築・最適化などを行っており、データ処理環境の構築後、マルチGNSS受信機を使用して地盤変位計測を行う。また、自然現象に起因する地盤変位の監視計測にも適用する予定だ。

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