既存建機に後付けする3次元MG(マシンガイダンス)キット「スマートコンストラクション・レトロフィット」の構成機器のうち、GNSSアンテナとコントローラーにアカサカテックの製品が使用されるなどアースブレインとは協力関係にあることから、一次販売店としてレトロフィットキットや専用アプリ、ローバー、遠隔臨場用のスマートグラスなどの各種ICT土工用機材を提供していく。
「既存の建機に比べ、割高なICT機器を導入しやすいコストで普及させる」ことがミッションだ。国土交通省のi-Construction推進による市場拡大を見据え、今後3年間で年間販売約1800台、年商10億円の目標を掲げる。
設立以降、ディーラー網の基盤整備に注力したのもその一環だ。既に販売拠点となるAKT ConsTecパートナーズを全国15カ所に置くことができたのは、前職のキャタピラージャパンで部品サービス推進やICT施工の普及に取り組み、そこで培ったネットワークがあったからだ。
足元の課題は、「建設業界で信用を築くための、地域に根差したディーラー網を構築すること」。認定講習を修了したAKT ConsTecパートナーズが提供するきめ細かいサービスが最大の武器になる。「大手ゼネコンはおのおのの仕事や現場の課題に適した製品を適切に選び出し、カスタマイズして利用する。今後は中小建設業にも同じことが求められ、そのためには、ソリューション提案が不可欠になる」と力を込める。
例えば地方の中小建設業がICT土工に取り組む場合、どこから始めればいいか分からないことも多いが、これまでの経験から「どう活用したいか分からない段階で機材を買う必要はない。目的はICT機器や建機を多く保有することではない」と実感した。だからこそ「まずはどのようなものかを知って建機に乗ってもらい、最終的にICT土工のユーザーとして成長し、売り上げを膨らませてもらうことが重要。小規模な会社でも、その投資額に応じて最適化したグロースプランを描き、足並みを合わせながらアフターサービスを展開していく」
◆現場のデジタルツインを実現
土木業界で「DX」が大きな話題を呼ぶが、「本来の目的はデジタル化して仕事のやり方を変えることだ。これ以上センサーを増やしても仕方がない」ときっぱり。それだけに、アースブレインの開発コンセプト“土木現場のデジタルツイン”に大きな魅力を感じている。「スマートコンストラクションはICT土工の入り口となる機材がパッケージされている。施工計画の作成だけでなく、何tのダンプが何往復し、どの捨て場に何t運んだかを自動で管理する。われわれがコンサルティングしながらユーザーに提案することで、お客さまのDXを確実に実現できる」と自信をのぞかせる。「デジタルツインのトップセラー」へ情熱を傾ける。
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