【「横のデジタル化」推進】コマツのスマートコンストラクションが新たなフェーズに突入 | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【「横のデジタル化」推進】コマツのスマートコンストラクションが新たなフェーズに突入

 コマツのスマートコンストラクションが新たなフェーズに突入することになりそうだ。
ドローンによる3次元での測量やICT建設機械を用いた施工・施工管理などプロセスごとの部分的なデジタル化を実現してきた従来の取り組みから脱皮。次なるステップとして、生産プロセス全体をデジタルでつなぐ「横のデジタル化」の推進に乗り出す。

建設生産システム全体をカバーするスマートコンストラクションのサポートツール


 新たな展開を「デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクション」と命名。プロセス全体をデジタルにつなぐ「横のデジタル化」推進を軸に建設生産プロセスの一層の高度化を狙う。

 2015年2月にサービスを開始してから約5年。「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」実現を支えるソリューションとして、累計1万件を超す現場に導入されるなど、内外のデジタル技術を取り込むことで着実に進化を遂げてきたスマートコンストラクションがいよいよ“完成形”に近づく。

 モノ(機械の自動化・自律化)とコト(施工オペレーションの最適化)の両面から、建設現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速。それぞれのレベルを引き上げていくことで目指すべき“未来の現場”をつくり出す。

■生産システムの「変革」
 というのも、これまでの取り組みは、調査・測量から施工計画の作成、施工・施工監理、検査に至る、それぞれの生産プロセスを従来型の手法からドローンによる3次元測量や、3次元データでの施工計画の作成(シミュレーション)に置き換える、いわばプロセスごとの“部分的なデジタル化(縦のデジタル化)”に過ぎなかった。
 仮に調査・測量をドローンによって効率化したとしても、そこで作成した3次元データを施工計画の作成や施工・施工管理に生かすことができなければ、生産システム全体への効果は限定的になってしまう。プロセスごとの縦のデジタル化は、それぞれの生産フェーズでの効果はあっても、生産システム全体としての“変革”を巻き起こすまで至っていないというわけだ。

■「後付けキット」提供開始
 建設生産システムにおけるトランスフォーメーション(変革)に必要となるのが、生産システム全体をつなぐ仕組み。そのためのツールとして、生産システム全体をカバーする4つのIoTデバイスと、8つのアプリケーションを導入して「横のデジタル化」を推進する。
 その1つが、建設現場で稼働している従来型の建設機械に3次元設計データによるマシンガイダンス機能を付加する「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」(後付けキット)。価格は70万円(税別)。
 「技術の進展と汎用化によって実現できた価格」とするように、これまで設備投資への負担からICT施工の実施に踏み切れずにいた建設企業にとっても、最新のテクノロジーを取り入れる絶好のチャンスと言えそうだ。

スマートコンストラクションを構成するIoTデバイス・アプリケーション

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