【トイレ快適化】現場から仮設トイレを変えていく! トイレ研が認定マーク作成、国交省も本腰 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【トイレ快適化】現場から仮設トイレを変えていく! トイレ研が認定マーク作成、国交省も本腰

 建設産業への入職や定着にとって、欠かすことができない取り組みになっている現場の環境改善。近年、特に注目を集めているのが、建設現場における仮設トイレの快適化だ。国土交通省は、男女ともに快適に使用することができる仮設トイレを「快適トイレ」と命名。昨年8月に快適トイレに求める標準仕様を公表、同年10月から直轄工事での原則化に踏み切るなど、その普及に取り組んでいる。
 汚い、臭いといった従来の仮設トイレの“常識”を変える「快適トイレ」の普及は、建設現場における職場環境の改善だけでなく、災害時に避難所などで活用される仮設トイレの質の向上など、副次的な効果も併せ持つ。市場の中心となっている建設現場のトイレが変わっていけば、結果として、イベント会場や避難所などに持ち込まれる仮設トイレも快適なものへと変わっていくことになるからだ。
 昨年10月から原則化(導入経費を負担)している直轄工事だけでなく、地方自治体の発注工事や民間プロジェクトへの普及が進んでいけば、快適トイレが一般化。供給される製品自体が「快適トイレ」としての仕様を満たすものへと変わっていくことが見込まれる。

◆8月に認定申請開始
 建設現場への導入が加速する一方で、供給サイドの普及への環境整備が着々と進む。
 27日に東京都港区で開催した、どこでもトイレプロジェクト「建設現場、快適トイレフォーラム」を主催する日本トイレ研究所は、標準仕様に沿った仮設トイレ(製品)を認定する「快適トイレ認定マーク」を作成した=写真。
 認定マークの発行によって、製造業者(メーカー)が供給する製品を快適トイレとして認証する仕組みを構築。快適トイレの“ブランド化”に取り組むことで、市場への影響力を強めていく。
 認定マークの申請受け付けは8月1日から開始(予定)。製品(機種・型式)ごとに認証する。申請書類の受付からおおむね1カ月程度で認定書・認定マークが発行される。

◆積算基準へ反映も
 直轄工事における原則化など、建設現場における快適トイレの普及を先導してきた官房技術調査課は、近く各地方整備局などに事務連絡を発出。昨年8月に公表した標準仕様で求める快適トイレの考え方を改めて周知・徹底する。
 現在は特記仕様書への明記など、快適トイレの導入を原則化こそしているが、標準仕様を満たす製品自体の供給量の問題から、1基につき月額4万5000円を上限に導入経費を実費精算(精算変更)している状況にある。現行の積算基準は、快適トイレではなく、あくまで一般的な仮設トイレの費用を見込んでいるが、全国的に快適トイレが容易に調達できるまで普及が進んでくれば、導入経費を積算基準の中に組み込んでいく可能性もある。

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