【警備・清掃ロボを建物内で制御】BPSをデモ/広工大 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【警備・清掃ロボを建物内で制御】BPSをデモ/広工大

BPSのデモの様子

 広島工業大学建築保全業務ロボット研究センター(杉田洋センター長)は24日、同大三宅の森Nexus21エントランスホールで、開発に成功した施設内での警備ロボットや清掃ロボットをコントロールする「Building Positioning System(BPS)」のデモンストレーションを実施した。デモには、ゼネコンや設計事務所などの関係者が参加し、これまでのアナログからデジタルメンテナンスに対応した同システムの可能性に注目が集まった。

 BPSの開発は、除塵(じょじん)型業務用床面清掃ロボットに関する建築保全の研究実績を持つ杉田センター長を中心に、大谷幸三情報工学科教授、杉田宗建築デザイン学科准教授、安鍾賢知能機械工学科助教の指導の下、各研究室の歴代の学生が取り組んだ。

 屋外では、GPS(全地球測位システム)に代表されるGNSS(衛星測位システム)が自己位置推定に使われるが、衛星からの信号が受信できない建物内では異なるシステムが必要となる。そこで、建物内で動作するロボットの自己位置推定技術に焦点を当て、建物側にセンサーを設置し、建物内で動く警備ロボットや清掃ロボットをコントロールするBPSの開発に成功した。

さまざまな情報を取得するロボット


 また、BIMと連携することにより、BPSから得られる位置情報に基づいてロボットを制御するだけでなく、ロボットに搭載されたセンサーから得られるさまざまな情報を位置情報とともにストックすることが可能となった。

 杉田センター長は「このシステムによりストックされた情報は、建築分野にとどまらない領域で新たなビジネスを生み出す可能性を秘めている。BPSの社会実装は建築のデジタルツインの実現に向けた重要なプラットフォームになる。BPSが社会基盤として広く整備され、多様なロボットがさまざまなサービスを建物内で提供する社会が到来することを願っている」と話した。

 

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