【技術を次世代に継承する】2020年度建築設備技術遺産 テーテンスのノートなど4件を認定 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【技術を次世代に継承する】2020年度建築設備技術遺産 テーテンスのノートなど4件を認定

 建築設備技術者協会(JABMEE、野部達夫会長)は、2020年度の建築設備技術遺産として「A・P・テーテンスの戦前の実績を記す自作のノート」「明治天皇6号御料車『大和型』鋳鉄製暖房用ラジエーター」「TOTOミュージアム所蔵のウォシュレット一体形便器(ネオレストEX)」「自動切り上げダイヘッド付き切削ねじ切り機および転造ねじ加工機」の4件を認定した。

A・P・テーテンスの戦前の 実績を記す自作のノート

 認定制度は、建築設備部門の技術と設備関連情報、これらを建物に収めてきた技術を次世代に継承することを目的に12年度に創設した。今回の4件を含めた認定数は計40件となる。
 「A・P・テーテンスの戦前の実績を記す自作のノート」(管理・所有者=テーテンス)は、1914年に建材社(現大気社)の暖房工事技師としてドイツから招へいされ、66年に没するまでの52年間、わが国の建築設備業界に多大な影響を与えた設備設計者であるA・P・テーテンス氏が手掛けた作品に関する900件の記録などが記されている。
 「明治天皇6号御料車『大和型』鋳鉄製暖房用ラジエーター」(管理者=JR東海、昭和鉄工、所有者=博物館明治村、昭和鉄工)は、1910年に製造され、博物館明治村に保存展示している明治天皇6号御料車に設置されている4台と同時期に製造された予備品2台。明治期の貴重な設備機器であり、その姿がとても美しいことなどから認定された。
 「TOTOミュージアム所蔵のウォシュレット一体形便器(ネオレストEX)」(管理・所有者=TOTO)は、93年に発売された。従来の固定概念から離れ、機能性、デザイン、操作性、節水性、洗浄能力、保守・清掃性など多くの点を見直し、初のタンクレス便器(温水洗浄便座一体型便器)として、最高水準の流れを追求した点などが評価された。
 「自動切り上げダイヘッド付き切削ねじ切り機および転造ねじ加工機」(管理・所有者=レッキス工業)は、作業者の経験と勘に頼っていたねじ加工の自動化などにより、作業時間の短縮や精度向上に大きく寄与した。

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