【社会の変革見据える】前田建設ICI コロナをテーマに「INNOVATION AWARDS」開催 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【社会の変革見据える】前田建設ICI コロナをテーマに「INNOVATION AWARDS」開催

 前田建設のICI総合センターは、社会課題解決に向けたオープンイノベーションを継続させる公式ソーシャルメディア「ICIオープンイノベーションLIVE」の開設初弾として、新型コロナウイルス対策やWithコロナ・Afterコロナを課題テーマに「ICI INNOVATION AWARDS」を開いた。最終審査でのプレゼンテーションでは、新型コロナ対策による社会構造の変革を見据えた新しいビジネス・社会の萌芽が垣間見えた。ICIでは、提案を早期に社会実装するよう支援を続ける。

 最終審査の冒頭、三島徹也執行役員ICI総合センター長は、「個人的見解だが、アフターコロナを見据えた重要な視点は、仕事の進め方・生き方そのものが変わることを前提に、医療、住まい、都市などの安全・安心の確保だろう。さらに、これらを支えるネットワークなどのインフラの強化が重要だ」との考えを示した上で、「いままでにない付加価値のある新しい暮らしを歩む。その第一歩がこのアワーズになる」とした。

ICIイノベーションアワーズであいさつする三島センター長

 アワーズは、5月7日から14日までという短い応募受付期間ながら、ベンチャー企業などから66件の応募があった。最終審査では、ファイナリスト10社がプレゼンし、「VSコロナ部門」で2社、「Withコロナ部門」で1社、「Afterコロナ部門」で1社がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。

◆VSコロナ部門最優秀
 VSコロナ部門最優秀のフューチャースタンダードは、「AIを映像解析の一部品として捉え、有効なAIを世界中から調達」(鳥海哲史代表取締役)し、従量課金制で安く早く簡単に高度なAI映像解析技術を利用できる「SCORER」(スコアラー)を開発・運営している。これを使い、サーモカメラによる発熱者のスクリーニングや、顔認証での体温管理、手洗い・消毒の記録をするサービスを構築。ICIとは、多様な施設での実証実験やサービスの共同販売を提案した。
 最優秀もう1社の五合は、超親水性の無機塗料「ゼロクリア」を製造・販売。消毒剤として使われる次亜塩素酸ナトリウムは、強アルカリ性で金属が腐食することが課題だが、「ゼロクリアを金属製品などに塗布すれば腐食を防ぎ、消毒効果を長期間維持できる」(小川宏二代表取締役)という。そこで、アルミ箔にゼロクリアを焼き付けたシートを建材などに張るなど、ゼロクリアを使った建材ボードやガラス、空間除菌といった新素材の共創を提案した。

◆Withコロナ部門最優秀
 Withコロナ部門で最優秀となったシティーデジタルの飯田康彦ビジネスダイレクターは、「自宅や野外のオープンスペースがレストランになっても良い。レストラン以外でおいしいものを食べても良い。画面越しに食べる喜びを共有する生活スタイルになれば良い」と熱弁。セントラルキッチンを整備し、デリバリーで自宅に料理を送り、ICTで食をともにできるシステムを提供する形で、「ICIとともに、情熱と覚悟を持って未来のレストランで おいしい食事を食べよう」と呼びかけた。

◆Afterコロナ部門最優秀
 Afterコロナ部門最優秀のJSIC Research Groupは、リモート会議の参加者の表情や会話内容からチームワークを可視化するツールを提案した。
 彭思雄リサーチアシスタントは、「参加者の表情、発言パターン、会議内容のデータのレポートを作成し、参加者にフィードバックしたり、マネージャーが見ることでチームワークの評価や チームへのアドバイスもできる。チームのコーチのような人がいればチームへのアドバイスもできる。創造的なチームのタイプが分かれば、そのチームを生み出せる組織構造は何か、それをどう生み出すか、地に足を付けて議論できる」とした上で、「ICIには、社内会議で 実証実験してほしい。また、会社を設立するので、設立・ビジネス拡大を支援してほしい」とした。

短い期間に66件の応募があった

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