【建築事務所の現状とこれから】JIAが会員への新型コロナ影響調査 アンケート集計結果を公表 | 建設通信新聞Digital

4月18日 木曜日

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【建築事務所の現状とこれから】JIAが会員への新型コロナ影響調査 アンケート集計結果を公表

 日本建築家協会(JIA、六鹿正治会長)は、新型コロナウイルス感染拡大による事務所運営への影響について、会員を対象に実施したアンケート結果をまとめた。全体の66%が将来の社会経済の変化による事務所経営への影響を危惧(きぐ)している。設計業務への影響については、「大いにある」「かなりある」の合計が53%を占め、「発注者などとの打ち合わせの中止や延期」「テレワーク導入で事務所の業務効率が低下」など業務上の支障に加え、「設計業務の延期・中止」「契約条件の見直し」など発注者の計画見直しによる影響を指摘する回答が多くみられた。

将来の社会経済の変化などによる事務所経営への影響


 アンケートは正会員を対象に5月13~22日に実施し、448件の回答を得た。
 設計業務への影響のうち、発注者による計画の見直しに関連した回答では、ホテルへの影響を挙げる記述が目立った。海外プロジェクトに関しては、「渡航制限による影響が非常に大きい」という回答もあった。

 監理業務への影響では、「大いにある」「かなりある」の合計が39%だった。「それほどでもない」は47%、「特になし」は14%となっている。「資材・設備の生産・物流の遅延」「職人の欠員」などによる工事の遅れを指摘する回答も多くみられた。回答の中には、「監理業務にオンライン会議などを導入した」という紹介もあったが、その限界を指摘する記述も多い。

 業務の遅延などによる資金繰りへの影響については、「大いにある」「かなりある」の合計が全体の32%、「それほどでもない」が50%をそれぞれ占めた。設計、監理業務に遅れが生じたため、現実に「清算ができない」「入金が滞る」との回答もあった。また、今後の業務の中断、契約の見直し、計画の中止などによる将来の資金繰りを懸念する回答も多く寄せられている。

 ポストコロナの将来展望については、経済環境は容易には改善されないとの見方から、「事務所経営が立ち行かなくなる」「事務所規模の縮小」「職員を抱えることに懸念」といった回答があった。

 国、地方自治体への要望では、申請、検査などの手続きや打ち合わせの簡素化、電子申請やテレビ会議(打ち合わせ)の活用促進などを求める意見が寄せられた。

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