【災害時に通信サービスを迅速復旧】「有線給電ドローン無線中継システム」実証実験成功 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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【災害時に通信サービスを迅速復旧】「有線給電ドローン無線中継システム」実証実験成功

 ソフトバンクと双葉電子工業、東京工業大学工学院(藤井輝也研究室)は、災害発生時の携帯電話サービスエリアを迅速に復旧する「有線給電ドローン無線中継システム」を開発した。千葉県市原市のドローン飛行場で長時間無線中継の実証実験に成功した。
 ソフトバンクは、全国の主要なネットワークセンターに「係留気球無線中継システム」を配備しており、自然災害時に支障が起きた携帯電話サービスエリアを迅速に復旧できるようにしている。ただ、現地到着から半日程度の準備期間が必要となっている。
 開発したシステムは、双葉電子工業が開発したドローンを有線給電対応に改装し、ソフトバンクと東工大が共同開発した無線中継装置と有線給電システムを搭載した。地上に設置した無線中継装置(親機)とドローンに搭載した無線中継装置(子機)で構成し、ドローンの飛行と無線中継装置に必要な電力を地上から有線で給電する。現地到着から1時間以内で運用可能で、係留気球よりも小型で、容易に現地に運搬できる。
 無線周波数や送信電力、無線中継距離、同時接続数、最大通信容量などの仕様は、係留気球無線中継システムと同じで、ドローンを地上100mに停留飛行させ、親機と子機の距離を10mとすれば、サービスエリアは郊外地で半径3㎞以上、見通しの良いエリアで半径5㎞以上まで確保できる。
 災害直後の短期間運用は、今回開発したシステムで対応し、1カ月以上の長期間運用は係留気球無線中継システムで対応するなど、被災地の状況に応じて運用する。

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