【記者座談会】DX実装化が加速/建コン協意見交換会が折り返し | 建設通信新聞Digital

5月21日 火曜日

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【記者座談会】DX実装化が加速/建コン協意見交換会が折り返し

A 新型コロナウイルスの感染拡大によってデジタルトランスフォーメーションの実装化が加速すると言われている。最近、特に“実装”をキーワードとした動きが目立つ気がする。
B 鹿島やJR東日本が出資する羽田みらい開発が幹事を務める「羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会」が「HANEDA INNOVATION CITY」でスマートシティーを実践すると発表した。鹿島のBIMをベースとした空間情報データ連携基盤で人や自律走行バス、ロボットの位置を表示するなど、「デジタル・ツイン」の実装がキーワードになっている。
C 羽田の自律走行バスと同じ車両を万博記念公園での次世代型モビリティサービス実証実験に使うのが三井物産やパナソニック、凸版印刷、JR西日本のグループだ。BOLDYという会社のNAVYA製ARMAという車両だ。
D 自動運転ではないが、NTTコミュニケーションズや三井不動産は、名古屋市の久屋大通公園でIoT(モノのインターネット)技術を使った安心・安全な街づくりの検証を始めた。防犯カメラを解析して不審者や迷子を早期に発見したり、来園者の位置情報をマーケティングに使うようだ。
E これまで、先端技術を使って「こんなことができる」という発表が多かったけど、いよいよそれを実際の生活の場に適用して使うという段階に入ってきたと実感する。愛知万博では、磁気浮上式リニアモーターカーが営業運転されたけど、2025年大阪・関西万博では自動運転が実際に活用する形で提供されるのではないか。IoT技術の実適用などはもっと早く生活に定着しているかもしれない。

万博記念公園で稼働する自動運転車両

初のウェブ会議 テーマ重点化も熱帯びず

A ところで建設コンサルタンツ協会の2020年度地方ブロック意見交換会が折り返したけど。
F 8月6日の九州ブロックを皮切りに今月14日の中部ブロックでちょうど半分の5地区、23日には後半戦となる北海道ブロックで開催された。実は台風10号の影響で中国と関東が延期となっているのだが、コロナ禍で初のウェブ会議形式に踏み切っただけにまずは順調に進んでいるといってよいだろう。
A 会議の状況はどうなの。
F ブロックによって多少違いはあるが、基本的には当該ブロックの整備局と協会支部は対面形式で協会本部と地方自治体がウェブ会議形式での参加となっている。協会からの「要望と提案」のテーマは前年度と変わらないが、ポイントを絞ってより重点化した意見交換となっているのではないか。最も力点を置いているのはやはり履行期限の平準化と技術力による選定だ。
G ウェブ会議そのものも目立ったトラブルもなく円滑に進行できているようだ。特に今回は協会側の要望と提案に対して発注者側から事前に文書で回答が示されているため、良くも悪くも無駄がない。
F ただ、これまで取材してきて感じるのは、昨年までは対話を通じて協会幹部の言葉に熱を帯びる瞬間があって、それが発注者の側にも伝播し、呼応して響き合うようなシーンもあったように思う。それが画面を通してではどうしても伝わらないような何とも言えないもどかしさも正直ある。
G それは高野登会長を含め協会幹部の複数人が感じているようだね。特に技術力による選定は、導入が進まない自治体の参加者にこそ理解を深めてもらいたいのだけど、ウェブを通じてだとどうも現状の報告にとどまり議論が発展するような雰囲気にはちょっと遠い。
F とはいえ、訴え続けないことには何も変わらない。ことしは最終の沖縄が12月開催とロングランになるが、より実りのある意見交換となることを期待したいね。

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