土木学会選奨土木遺産選考委員会(天野光一委員長)は28日、2020年度の選奨土木遺産に認定した26件を発表した。中空重力式構造などの先駆的技術を採用した、治水・農業・水道・発電用の多目的ダムである「金山ダム」(竣工・1967年)や、明治神宮の参道として整備され、ケヤキ並木を備えた広幅員街路のモデルとなった「表参道ケヤキ並木道(赤坂杉並線)」(同1921年)などが選ばれた。
支部別の選定数は北海道支部が2件、東北支部が1件、関東支部が9件、中部支部が4件、関西支部が6件、中国支部が1件、四国支部が1件、西部支部が2件となっている。
選奨土木遺産は社会や土木技術者へのアピール、地域づくりへの活用などを目的に2000年度に創設。今回を含めて400件以上を認定している。
20年度の選奨土木遺産は次のとおり。
・金山ダム(北海道南富良野町)
・神居大橋(北海道旭川市)
・馬淵川放水路(青森県八戸市)
・寺坂橋(埼玉県本庄市)
・鷺石橋(群馬県沼田市)
・表参道ケヤキ並木道・赤坂杉並線(東京都渋谷区)
・日光いろは坂第1・第2(栃木県日光市)
・佐伯橋(山梨県都留市)
・栃ケ原地すべり第1号集水井(新潟県柏崎市)
・横浜港新港埠頭関東大震災復興岸壁群(横浜市)
・秦野・曽屋水道施設群(神奈川県秦野市)
・常盤橋(東京都千代田区~中央区)
・黒部ダム(富山県立山町、黒部市、長野県大町市)
・狩野川放水路(静岡県伊豆の国市、沼津市)
・中川運河(名古屋市)
・五六閘門(岐阜県瑞穂市)
・ビル・高架道路・地下鉄駅の一体整備(大阪市)
・大阪狭山市域の南海電鉄煉瓦造暗渠群(大阪府大阪狭山市)
・阪急電鉄神戸市内線高架橋(神戸市)
・姫路市営モノレール遺構群(兵庫県姫路市)
・豊岡市水道の創設期施設(兵庫県豊岡市)
・笹生川ダム(福井県大野市)
・出合橋(広島県安芸太田町)
・三架橋(香川県観音寺市)
・八代の石造干拓施設群(熊本県八代市)
・宮内原用水の二穴式隧道(鹿児島県霧島市)