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【従来と比べ業務時間が半分に】中小規模の現場へ着実に浸透中 ”電子小黒板”の最前線

最終更新 | 2020/09/30 13:47

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 建設工事の品質管理で不可欠な工事写真の撮影・管理を大幅に効率化する「電子小黒板」が、中小規模の現場へと着実に広がっている。東京都内を中心に舗装工事を施工する最上建設(東京都墨田区)は、ルクレ(東京都港区)が提供する蔵衛門電子小黒板シリーズを6月に導入し、業務効率化の成果が出始めている。さらなる効率化に向け、写真管理ソフト『蔵衛門御用達2020Professional』と連携した“出来形管理機能”の実装を進めているところだ。電子小黒板を活用した業務効率化の今後の展開について、吉井雄一最上建設工事主任に聞いた。

最上建設 工事主任/吉井 雄一さん

――電子小黒板を導入した経緯を教えてください

 「当社は管理部門や現場監督が約10人、直傭の作業員約30人で構成し、本社のある東京都墨田区を拠点に、東京都建設局や区が発注する道路の舗装工事や維持工事を中心に事業を展開しています。工事写真の撮影、管理については従来、木製黒板やボードなどに必要事項を記入して撮影していましたが、建設現場の生産性向上を図るため、6月にルクレの電子小黒板シリーズ『蔵衛門工事黒板』『蔵衛門出来形』『蔵衛門コネクト2020for工事黒板』『蔵衛門御用達2020Professional』を導入しました」

 「きっかけは、東京都発注の『書類削減モデル工事』を受注したことです。東京都建設局の検査官にも、現場の業務を効率化するツールとして電子小黒板を紹介していただきました。社としても関心を持ち、まずは業界で知名度のあるルクレの無料アプリ『蔵衛門工事黒板』をダウンロードし、実際に現場を撮影したり、写真管理台帳との連携をイメージして活用してみました。続いて、ルクレ主催のセミナーにも参加し、撮影から工事写真管理まで一貫して行うメリットを確認し、導入にいたりました」

東京都や区の発注する舗装工事の効率化に電子小黒板が貢献している

◆自分の現場はすべて電子小黒板に切替え

――導入してどのような効果を感じていますか

 「わたしは最上建設に入社して10年になりますが、前職ではシステム関係の仕事をしていたこともあり、電子小黒板にはスムーズに取り組むことができています。導入してから3カ月が経ちますが、すでにわたしが担当している現場はすべて電子小黒板に切り替えました。いちど電子小黒板を使うと、黒板とチョークには『戻れない』と感じます」

 「社内では電子小黒板を普及する役割も担っており、その一環として現場で活用する小黒板データの作成も一手に担当しています。データの作成は車の中でも簡単にできるため、その日の撮影に必要なデータを事前に作成して現場に送り、遠隔地からサポートしています」

 「現場では1日200枚の工事写真を撮影しますが、写真管理ソフト『蔵衛門御用達』に格納するファイルを工種などに応じてしっかり定義しているため、写真を取り込めば自動的に振り分けられ、瞬時にフォルダに管理されます」

大きな木製黒板を持ち歩くことなく、スマートな業務が実現する

◆撮影した写真を一瞬で台帳に反映

――従来と比べてどのようなメリットを感じていますか

 「従来方式では、撮影のたびに大きな木製黒板やボードにチョークなどで内容を書き込み、デジタルカメラで撮影していました。撮影後に掲載する写真を取捨選択し、ExcelやPowerPointで作成した工事写真台帳に貼り付けていました」

 「また、何枚もの異なる黒板を現場内で持ち歩く必要があるため、撮影時の大きな負担になっていました。電子小黒板は、事前に作成した小黒板データをタブレット端末に入れて持ち運べるため、かさばることなく作業でき、安全面の効果も大きいです」

 「『蔵衛門コネクト2020for工事黒板』を介して蔵衛門工事黒板と蔵衛門御用達2020を連携することで、撮影した写真を一瞬で台帳に反映できます。撮影と台帳管理の業務時間は約半分になり、大きな効果を得ています」

◆出来形管理の帳票作成機能を導入へ

――今後はどのように電子小黒板を使っていく予定ですか

 「さらに生産性向上を実現するツールとして期待しているのが、蔵衛門御用達2020Professionalに新たに搭載された出来形管理機能です。工事写真台帳の作成機能に加え、出来形管理図表や総括表を作成・管理でき、各発注者の提出に必要なテンプレートを標準装備しています。Excelなどで作成していた従来の帳票作業に変わるツールになると思います」

 「従来は現場で確認した出来形の実測値を、事務所のパソコンの帳票に打ち込む『転記』が必要でした。この機能を使うことで、現地で測定した実測値をスマートフォンやタブレット端末から入力し、提出用の帳票に自動的に数値が反映されます。転記する手間やミスがなくなることが期待されます」

 「付属の作図機能を使えば登録されていない略図も作成し、テンプレートに保存して使い回すこともできます。電子小黒板に比べると、より定義付けが重要になると思いますが、工種に合わせて綿密に設定することで非常に使いやすい機能になるでしょう」

◆一回使えば良さがわかる

――電子小黒板の普及を図る上で課題はありますか

 「建設業全体にいえることですが、従事する人の高齢化が進み、ICTの活用そのものが遅れています。携帯電話のガラケーがスマートフォンに移行するタイミングと同じように、現場を記録するツールとしてまだ安心して電子小黒板を使えなかったり、写真データの取り込みなど機器の扱い方に自信がない人も多いです。当社もベテランの職員が多いため、このハードルを克服するのが課題です」

 「まずは同年代の社員に使ってもらい、効果を実感してもらうことから始めています。1回使えば良さがわかるため、そこから使える社員を広げていきたいと思います。最終的には全社員に使ってもらうことが目標です」

人的ミス削減、二重チェックの負担から解放 蔵衛門出来形

■iPhone/iPadで測量野帳の作業実現
 ルクレは、土木工事の測量結果と工事写真をiPhone/iPadで管理できる野帳カメラアプリ『蔵衛門出来形』の無料提供を開始した。

 測量結果の記録・計算から黒板入り工事写真の撮影、測量レポートの作成までを行う。有料ライセンスキーを購入すれば、工事写真管理ソフト『蔵衛門御用達2020Professional』と連携し、パソコンでの出来形報告書の自動作成も可能になる。

 出来形管理に必要な規格値、設計値、実測値を手軽に入力し、黒板に測定結果が自動反映されるため、工事写真をより簡単に撮影できる。測定結果は無料でCSVに出力できるため、普段使用しているExcelにそのまま貼り付けることも可能だ。

 出来形結果入力を電子化することで、これまで出来形結果を野帳、黒板、帳票と何度も書き写していた手間を一切なくすことができる。さらに、出来形結果のデータ化により、入力した数値は自動的に計算され、出来形帳票に反映される。書き直しによる人的ミスの削減、二重チェックなどの負担から解放される。

iPhoneからExcelへ検索結果を一括出力


■国交省指定の豆図を搭載
 黒板に表示する豆図として、国土交通省の土木工事施工管理基準に記載された436個の図を搭載している。ユーザー登録することで無料で使用できる。標準にない豆図はフォトライブラリや内蔵の豆図カメラで撮影して設定可能だ。さらに豆図を無償で作成・提供するオーダーメイドサービスも実施している。

 測点の追加数に制限はなく、計測する測点の数だけ1タップで追加する。数が多くても、画面を縦にスクロールして一覧を確認できるため、必要な測点をすぐに探すことができる。測点項目の追加や削除も可能であり、現場で測点項目が突然変更された場合も柔軟に対応する。

蔵衛門出来形の提供イメージ


■設計値と実測値の誤差を自動計算
 アプリに内蔵した自動計測機能により、これまで電卓を使って手動で計算していた設計値と実測値の差を自動算出する。実測値を入力した瞬間に差が計算されるため、「差の計算が面倒だから、すべての測点の実測値を図ってから差を計算し、間違えがある場所は後で直しにいく」という出来形管理の工程を抜本的に見直すツールとなる。

 出来形の測定結果はCSV形式で無料ダウンロードすることも可能だ。ダウンロードしたデータをExcelで開くか、いつも使っている出来形管理図表のExcelにコピーするだけで済むため、手書きのメモを打ち直す手間や人的ミスを削減できる。

 さらに、『蔵衛門出来形ライセンスキー』を使用すると、アプリで入力した実測値や撮影した出来形写真を『蔵衛門御用達2020Professional』で管理、印刷し、発注者に提出することができる。iPhoneかiPad1台につき、ライセンスキー1枚を利用できる。

蔵衛門出来形の画面

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