【世界初のLED設置】五輪への道しるべに 改修完了の日本武道館でライトアップ点灯式開催 | 建設通信新聞Digital

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【世界初のLED設置】五輪への道しるべに 改修完了の日本武道館でライトアップ点灯式開催

 日本武道館(東京都千代田区、高村正彦会長)は9月29日、改修を終えた本館のライトアップ点灯式を開いた。毎日午後6時から10時まで、建物頂点の擬宝珠(ぎぼし)や大屋根など建物全体を効果的に照らし出す。照明の企画デザイン設計・監理は石井幹子デザイン事務所が担当した。

 夜間でも擬宝珠が金色に輝くように、常設としては世界初という、限りなく金色に近い黄色LED投光器を国内生産して、大屋根の外側端部に設置した。大屋根全体には超小型の投光器120台を目立たない形で配置して、周囲の景観に調和する落ち着いた雰囲気としている。

 石井幹子デザイン事務所の石井幹子代表取締役は「満月の清らかな光に照らされた霊峰・富士をイメージしている。屋根をきれいに照らすため、模型を使って実験を重ね、無駄な影をつくらない照らし方を研究した」と説明した。

 改修前はライトアップをしていなかった。ライトアップは163台すべてをLED照明とすることで、消費電力は計4.735kW、電気代は1時間当たり約90円と、維持管理コストを抑えている。高村会長は「このライトアップが東京オリンピック・パラリンピックの道しるべとなり、ポストコロナの明るい社会の象徴となることを期待している」と語った。

 点灯式には、高村会長、石井代表取締役、山田守建築事務所の東清仁代表取締役会長、竹中工務店の宮下正裕取締役会長が登壇して初めての点灯を見届けた。

 本館(大道場)の改修工事と中道場の増築工事は、1964年の竣工当時と同じく山田守建築事務所が設計、竹中工務店が施工に当たり、7月に竣工した。本館は大屋根の葺(ふ)き替えや耐震壁、アリーナ天井部材などの追加補強のほか、常設車椅子スペース、多機能トイレなどバリアフリー機能を充実している。所在地は北の丸公園2-3の敷地面積1万2625㎡。

左から東会長、石井代表取締役、 高村会長、宮下会長

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