【防虫エンジニアリング】竹中工務店「バグキーパーLED」を開発 紫外線LEDで性能向上 | 建設通信新聞Digital

5月6日 月曜日

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【防虫エンジニアリング】竹中工務店「バグキーパーLED」を開発 紫外線LEDで性能向上

 竹中工務店は、食品や医薬品の製造工場など高度な害虫管理が求められる施設向けの製品として、侵入した飛来虫を捕獲する「バグキーパーLED」を開発した。虫を誘引する光源に紫外線LEDを採用している点が特徴。建築的なアプローチから昆虫など異物混入への対策を進める独自の“防虫エンジニアリング”ツールの1つとして、既存建物への展開を狙う。

バグキーパーLED


 新たに開発した「バグキーパーLED」は、2010年6月から販売している現行の吸引捕虫機「バグキーパー」の改良版となる。

 従来のバグキーパーが虫を誘引する光源に蛍光管を使用していたのに対して、より効率的に虫を誘引することができるLEDを採用。ファンの吸引によって捕獲する機構は同じだが、特定の波長に電力を集中させられるLEDの特徴から、虫の誘引が最も起こりやすい波長の紫外線を放射することで、捕虫性能を約57%もアップさせた。

 紫外線LEDの採用によって、約10%の省エネルギー化(消費電力の削減)も実現した。反射板など蛍光灯に付随する部品の設置が必要だった従来機との比較で本体を約2分の1に薄型化(設置面積の省スペース化)したことで、壁掛けなど設置スタイルのバリエーションも広げた。

 反射板や蛍光灯などの露出部品が少なくなったことで意匠性も向上。食品や医薬品の製造工場だけでなく、害虫管理へのニーズがある店舗やオフィスビル、美術館・博物館への展開も期待できる。

 建設企業として、いち早く施設の防虫対策に取り組んできた同社は01年に技術研究所に防虫研究の専用施設を設置。薬剤を使わないIPM(総合的病害虫管理)の見地から歩行虫に有効な「バグバンパー」や「バグシールド」など独自の“防虫エンジニアリング”技術を開発してきた。

 新たにラインアップに加わる 「バグキーパーLED」は21年5月から販売を開始する。 7日から東京ビッグサイト青海展示棟で開催される展示会「フードファクトリー2020」 でも展示・紹介される。

現行のバグキーパー

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