【多分野展開目指す】漆喰塗料でコロナ99.9%不活化 関西ペイント・長崎大学が効果確認 | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【多分野展開目指す】漆喰塗料でコロナ99.9%不活化 関西ペイント・長崎大学が効果確認

 関西ペイントは、長崎大学感染症共同研究拠点の安田二朗教授と共同で特許を持つ漆喰塗料の新型コロナウイルスに対する不活化(感染力を失わせること)について共同実証実験し、ウイルスが塗料に接触すると5分で99.9%以上不活化する効果を確認した。同社はこの結果を踏まえ、既に取り組んでいる建築塗料分野のほか、抗ウイルス商材で多くの分野への展開を目指す。

関西ペイントの毛利訓士社長(左)と長崎大の安田教授


 同社は、漆喰の主成分の消石灰が水分に接触すると強アルカリ性を持つ性質によって、抗菌・抗ウイルス・消臭などの効果が得られることに着目し、ウイルス対策として使える漆喰塗料を2007年に開発した。効果は100ミクロンの厚さで塗布すると7-10年ほど持続し、現在は建材やドアノブ向けシートなどに使用している。この塗料は既にインフルエンザウイルスなどで不活化効果を確認しており、今回、新型コロナウイルスでも同様の効果を確認した。

 今後は塗料のほか、玄関やトイレ床などに敷くマット、防災用の簡易トイレや簡易ベッド、マスクケース、フェイスシールドなどで製品化を進め、オフィス、工場、商業施設、飲食店、医療施設、教育施設など多くの分野に向けて展開を目指す。

 5日の会見で、中野佳成上席執行役員汎用塗料本部長は「シートやテープなど導入しやすい製品を展開することによって、塗料の引き合いにもつながると思う。ウイルス対策ビジネスは、19年は年間売り上げ2億円程度だが、21年に年間売り上げ30億円を目指す」と説明した。安田教授は「5分の接触でウイルス99.9%不活化というのはきわめて短時間で高い効果だ」と期待を寄せた。

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