【生態系回復の実証フィールド】清水建設技研のビオトープ「再生の杜」 都の優良緑地に認定 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【生態系回復の実証フィールド】清水建設技研のビオトープ「再生の杜」 都の優良緑地に認定

 清水建設の技術研究所(東京都江東区)にあるビオトープ「再生の杜」が、在来種を積極的に植栽するなど、生物多様性の保全に取り組んでいる緑地や生息・生育環境への配慮に優れた“優良緑地”などを登録・公表する東京都環境局の「江戸のみどり登録緑地」に認定された。同社の生物多様性の保全に対する取り組みや貢献度の高さが評価された形となる。

「再生の杜」ビオトープ


 「都市における生態系回復の実証フィールド」として、2006年4月に江東区越中島3-4-17の技術研究所に整備された 「再生の杜」の緑地面積は2567㎡。約7割に相当する1865㎡が樹木面積となっている。

 常緑樹林、落葉樹林、草地、湿地、水域がエコトーン(環境移行帯)を形成。多様な生物の生息・生育空間を創出している。植物はすべて関東圏のものが植栽されるなど、地域性への配慮にも工夫が施されている。

 中心にある約650㎡の水辺空間は、東京都の絶滅危惧種である「トチカガミ」などが生育。カモ類やサギ類などの水鳥が頻繁に飛来する。トンボ類(16種類)も確認されるなど、生態系ネットワークに貢献している。

 06年の竣工から10年以上にもわたる長期のモニタリングによって、そうしたデータを蓄積してきた。当初に200種だった植物は296種に増加。表土中の種子からは絶滅危惧植物を含む多くの植物が出現しているという。

 実際に当初は3-4mだった樹木も10m以上にまで成長。除草剤や殺虫剤の使用を抑えながら、外来種への対策など、生き物に配慮した丁寧な維持管理を続けている。

 技術研究所で実施している青少年向けの公開講座「シミズ・オープン・アカデミー」などを通じて、年間3000-4000人が来訪するなど、いわゆる環境教育の場としても積極的に活用。 まさに都市における生態系の回復と生物多様性の向上に貢献する“優良緑地” となっている。

青少年を対象とした環境教育

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