第62次南極地域観測隊として20日に日本を発つ。異例とも言える3回目の派遣となるが「初心を忘れずにやっていきたい」と笑みを浮かべる。
その柔和な笑顔とは裏腹に、建築・土木分野におけるミッション遂行に対する決意と強い責任感がにじむ。
実際に通常とは異なる現地の厳しい作業環境の中で多くのミッションをやり遂げた過去の経験は大きい。ともに作業に当たる他の隊員にとっても経験とノウハウを持つ現場監督への信頼は厚い。
今回のミッションは、環境科学棟と観測倉庫の解体工事に電離層倉庫・汚水処理装置のコンテナ基礎や機械建築倉庫の出入り口の段差をなくすコンクリート工事、基本観測棟の放球デッキ追加工事や鉄骨階段落下防止対策工事など計9項目。全体として作業のボリュームは少なくない。
新型コロナウイルスの影響もあって「南極での滞在期間が縮小されるなど、限られた時間の中で多くの作業をこなすことになる」という。
現地での作業は時々の天候にも左右されることから「優先度を決めて取捨選択しながら作業を進めていくことになる。作業の進捗などを見極めつつ、的確に工程を判断していきたい」と力を込める。
第62次南極地域観測隊は2週間の検疫期間を経て20日に日本を出港。昭和基地に向かう。現地での作業を終えた後、2021年2月22日に帰国する見通し。