【2社が南極観測隊帰国報告】飛島建設 後藤猛さん/関電工 上原誠さん、小野寺翔さん | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【2社が南極観測隊帰国報告】飛島建設 後藤猛さん/関電工 上原誠さん、小野寺翔さん

◆4回の派遣で得た経験、技術を伝承/飛島建設 後藤猛さん
 4回目の南極派遣として、第63次南極地域観測隊に参加。2021年11月10日に日本を出発し、12月16日に昭和基地に到着、翌17日から22年2月7日までミッションで手腕を発揮し、3月28日に帰国した。

後藤さん

 今回は、環境科学棟(高床部と床)解体、西部地区道路工事、基本観測棟の放球室シャッター更新工事、管理棟防水工事、コンテナヤード補修工事などを実施。「すべての作業で、これまでの経験を生かすことができた」と振り返る。経験から、作業に必要なものがどの場所にあるかが分かっており、今回それらを写真も使ってデータ化し、次の派遣者がより利用しやすいように気配りした。
 前回は天候に恵まれたが、今回は2度ブリザードが発生。「前日は車両の移動など、当日は外出禁止で、翌日は雪かきが必要となる」ため一時予定が厳しくなりかけたが、後半は天候が安定して作業を進めることができた。

 野外観測支援に参加し、南極大陸で氷山を見ることができた。次回参加者には、ミッションへの対応とともに貴重な機会ということもあって「楽しんでほしい。可能であれば野外観測にも積極的に参加を」とアドバイスを送る。
 4回の参加が評価されて国立極地研究所から表彰された。今後は、4回の南極派遣で得た経験や技術を次世代に伝承することに注力する。

◆初心忘れず遂行、次回派遣にも意欲/関電工 上原誠さん、小野寺翔さん
 1986年から南極地域観測隊に越冬隊・夏隊を合わせ計40回、社員を派遣している関電工。今回、第62次越冬隊(2020年11月-22年3月)メンバーの上原誠さん(東京営業本部東京支店西部支社)、第63次夏隊(21年11月-22年3月)の小野寺翔さん(営業統轄本部施工品質ユニット技術企画部)が、現地での任務を終え無事帰国した。

左から上原さん、小野寺さん

 南極では設営部門の機械隊で電気設備を担当し、昭和基地内の電気・空調設備の点検や更新、太陽光発電パネルの更新などを行った。
 今回が4回目の上原さんは、新型コロナウイルスの影響で出発時から異例の対応に追われたが、それを乗り越えて任務を遂行。雪上車の覆帯が外れるハプニングには、6人の隊員が協力し合って修復した。「何回行っても初心を忘れずにいる。次も機会があればと思うが、若手にももっと南極に行ってもらい、そのバックアップをしたい」と語る。
 今回が初任務の小野寺さんは、夏隊にもかかわらずブリザードに遭遇するなど異常気象も体験した。「任務を通じて隊長がどう指示を伝え、隊員がどう対応するのか。それを間近で見て、組織や職長職など今後の仕事に生かせる」と今回が良い経験になったと振り返る。第64次越冬隊に参加したい意欲も示した。

雪上車の覆帯取り付け作業をする 上原さん

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