【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈5〉 | 建設通信新聞Digital

5月14日 火曜日

B・C・I 未来図

【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈5〉

 建設ICTの取り組みは多岐にわたる。3次元モデルデータなどの活用による業務効率化や生産性向上は通過点であり、最終的に目指すのは調査から設計、施工、維持管理をつなぐ一貫したデータ連携の流れだ。建築設計事務所、ゼネコン、建設コンサルタントの計36社の最新事例から、建設ICTのトレンドを読む。

鴻池組/(仮称)KONOIKEテクノセンター新築工事/一貫したBIMデータを活用

 本建物は鴻池組の新たな技術開発拠点として計画された、2021年10月竣工予定の自社研究施設である。設計施工であるメリットを生かし、設計から施工まで一貫したBIMデータの活用により、初期段階での納まり干渉チェックや積算部門とのデータ共有、施工段階においては施工計画・手順の検討や施工図へのデータ展開、MR技術「HOLOLENS」を用いた仕上げ検討や合意形成などへの取り組みを実施予定である。
 (後藤尉彦/大阪本店建築部)



大成建設/大阪市海老江下水処理場改築更新事業/3Dモデル活用で効率施工

 本事業は大阪市海老江下水処理場の1系水処理施設の改築更新事業であり、民間企業の蓄積された技術を最大限に活かすため、PFI法に則ったDBO方式が適用されている。水処理施設は、敷地制限と経済性の観点より施設を構成する最初沈殿池、反応槽、最終沈殿池などが配置されており、非常に複雑な構造となっている。そこで3Dモデルを作成し、「部材同士の干渉や開口位置の確認」「仮設物と本設構造物の干渉確認」「最適な施工リフトの決定」を実施し、効率的な施工を進めている。
 (沖慎一郎/作業所長)



戸田建設/某ホテル建替計画/BIMを様々に活用しよう

 解体から新築までBIMやICTを様々に取り入れた事例。フロントローディングにおいて、設計フェーズの課題解決にBIMを活用、点群測量とインフラを重ねた敷地BIMモデルは解体リスク低減のための干渉確認を実施した。確認検証としてBIMから土量やCON数量算出、基礎鉄筋BIMモデルで配筋納まりを実施。設備サブコンと鉄骨FABと連携することで鉄骨スリーブ自動発生により調整期間短縮を実現し、施工4D(解体~完成)で工事関係者と安全を含めた合意のもとで生産性向上が図れた。
 (久栖邦夫/大阪支店建築工事部フロントローディング推進課課長)




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