【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈6〉 | 建設通信新聞Digital

5月15日 水曜日

B・C・I 未来図

【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈6〉

 建設ICTの取り組みは多岐にわたる。3次元モデルデータなどの活用による業務効率化や生産性向上は通過点であり、最終的に目指すのは調査から設計、施工、維持管理をつなぐ一貫したデータ連携の流れだ。建築設計事務所、ゼネコン、建設コンサルタントの計36社の最新事例から、建設ICTのトレンドを読む。

前田建設工業/関西医科大学タワー棟新築工事/施工BIM免震層内の調整検討

 関西医科大学タワー棟新築工事は免震構造が採用されている。免震層内は設備配管が複雑で免震挙動による設備配管などの干渉による不具合やメンテナンス経路・作業空間の把握が難しく、検討段階での見落としによる手戻りのリスクが高い。これらのリスクを回避する目的でBIMの活用を実施した。免震層の施工図レベルの躯体、設備配管などの統合BIMモデルを作成し、挙動シミュレーションによる干渉確認、免震層内の空間把握により効率的な検討・調整ができた。
 (丸田昭宏/関西支店建築部CADチームチーム長)



佐藤工業/ゲームエンジンのCIM活用/情報の一元管理と共有化

SATOマン走る

 汚水幹線工事にCIMを導入した。施工範囲の既設埋設物と新設する管渠を3Dモデル化し、情報の一元管理と共有化による打ち合わせの効率化や施工計画で活用している。
 また、CIM内をゲームのように走り回って体験する『SATOマン』を作り、技術フェアや現場見学会で人気となっている。システム開発にはゲームエンジンである「Unreal Engine」を利用。ゲームエンジンはライブラリーが豊富で、CIM系データの取り込みも可能である。
 (京免継彦/技術センターICT推進部長)



大豊建設/あやの台北部工業団地第一地区造成工事/UAVレーザー測量で土工量確定

ドローンレーザー測量(3Dモデル)

 本工事は和歌山県に位置する敷地面積が約60haの大規模な工業団地造成工事である。当現場ではUAVレーザー測量を採用し、伐採前に正確な地表面測量で土工量を確定させた後、ICT土工機械を併用した工事を施工中である。レーザー測量は上空から照射されるレーザーパルスがわずかでも地表面まで届く場所であれば、樹木に覆われた森林等においても正確な3次元測量を早期に行うことができる最新技術であり、3次元に変換した設計モデルにレーザー測量で得た地表面点群データを重ね合せることで、全ての地点における地盤高低差の算出が可能である。
 (斎藤達也/大阪支店あやの台造成作業所所長)



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