【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈7〉 | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

B・C・I 未来図

【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈7〉

 建設ICTの取り組みは多岐にわたる。3次元モデルデータなどの活用による業務効率化や生産性向上は通過点であり、最終的に目指すのは調査から設計、施工、維持管理をつなぐ一貫したデータ連携の流れだ。建築設計事務所、ゼネコン、建設コンサルタントの計36社の最新事例から、建設ICTのトレンドを読む。

◆長谷工コーポレーション/ウェアラブルカメラの活用/現場の状況を社内から確認

現場で撮影・会話できる

社内から確認・会話できる

 当社は現在、事業領域の拡大を目指しており、地域的にも大都市圏から地方都市へと業容を拡大しつつある。その際に課題となるのが品質管理である。検査などに要する時間より移動に時間を要する場合もあり、その対策として導入したのが「ウェアラブルカメラの活用」である。現場の状況を社内から確認、品質を確保することに努めるとともに、コロナ禍の移動制限のある時期にも業務を進めることができ、また、熟練社員が若手社員を社内から指導することなどにも活用している。
 (高原雄樹/建設事務部ICT推進チームチーフ)

◆松村組/NHK新大津放送会館建設工事/2次元で難しい検討をBIMで確認

 当社では、設計時の施主へのプレゼンテーションや複雑な条件下での仮設計画、工事工程の確認、設備配管の干渉チェックなど必要に応じてBIMを活用している。本工事は、高い鉄塔の仮設足場や免震構造特有の地震時を想定した仮設計画でBIMを活用することにより、3Dの緻密な計画が行うことができた。また、鉄塔廻りの下部SRC造部分は配筋が複雑で、2次元配筋納まり図では難しい検討をBIMで見える化することにより納まりを確認できた。今後、多くの現場でBIM活用を推進する予定である。
 (小松哲幸/大阪本店建築部建築課長)







◆三井住友建設/(仮称)大阪市北区豊崎4丁目計画/BIMで施工フロントローディング

 当社大阪支店では、他社設計(構造は当社)タワーマンション案件における施工BIM取り組みで、基礎地中梁配筋検討、RC躯体フレーム・設備配管との取り合い確認、躯体・外装などの数量算出、設計図書内での整合性確認についてBIMを活用している。今後は仮設計画、施工シミュレーションから安全検討、タブレットでの作業手順事前確認などへの展開を予定しており、BIM活用による施工フロントローディングを推進、安全・施工品質確保につなげていく。
 (岡田耕始/大阪支店建築部建築技術G長)




建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら