【日刊建設通信新聞社主催】第2回 BIM/CIM LIVE2020⑤ | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

B・C・I 未来図

【日刊建設通信新聞社主催】第2回 BIM/CIM LIVE2020⑤

ダッソー・システムズ/BLMで適切な情報伝達

   北米インダストリー・プロセス・コンサルタントシニア・ソリューション・アーキテクト
    ヴィンス・ガトラ氏


 カナダのSNC-Laval inでの試みを紹介する。2003年、当時の製造業のPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)に触発され、デジタルモックアップを構築し、最終的に「ENOVIA 2012x」へ移行した。変電所設計やダムの修正設計などの事業で実行できるようになった。

 17年、現状を理解するための自己判断を始めたが、実際には縦割りの状況で、連携しておらず、情報管理できる技術を生かし、連携を実現することにした。その中で重要な課題も浮かび上がった。BIMが縦割りの原因となっていた。エラーや手戻りなどの問題があった。

 一部のプラットフォームはBIMに準拠しておらず、相互運用は困難だったため、BLM(ビルディング・ライフサイクル・マネジメント)に取り組んだ結果、チームワークや開放性、連携が促進された。BLMはバーチャルツインとして作成された相互運用と再利用可能なデータを使用し、資産を計画・構築・設計・運用・保守するための広範なアプローチをとることだ。

 BLMは事業の初期段階で関係者に適切な情報を伝えるために使った。その価値を強固なものにするために、ロードマップをつくった。1つは連携を促進・拡張するもので、手直しと反復を減らし、生産性向上につなげた。設計の自動化による過去の事業から再利用可能なデータの構築も考え、短期間で詳細設計に進み、競争力を高めた。

 鉄道業界に合わせた新しい設計や建設方法を開発する手段としてBLMを生かしたバーチャルツイン「BLMシティ」に着手した。「3DEXPERIENCE」のバーチャルツインによるデジタルモデリングは製品の構造と仕様によって定められた統合モデルが作成できる。バーチャルツインによって、BIM設計データの相互運用性やほかのプラットフォームとの互換性に効果があった。


フォーラムエイト/リアルタイムに多様な検討

   執行役員システム営業マネージャ 松田 克巳氏

 当社は20年前からIM(インフォメーションモデリング)とVR(バーチャルリアリティ)のソリューションを展開している。

 2000年初版リリースのソフトウェア「UC-win/Road」は、3次元で構築したマップに車両交通などのデータが入力でき、リアルタイムで多様な検討が可能な環境を提供している。近年のパソコン処理性能の向上に伴い、日照による影の処理や夜間照明のシミュレートもリアルタイムで可能となった。

 同ソフトは、地形情報を入力し、道路線形を定義して道路生成、シミュレーションを実行する。この過程でIFCやLandXMLなどのBIM/CIMフォーマットのデータをはじめ、当社の土木設計ソフトのデータ、氾濫解析・津波解析、避難シミュレーションのデータを取り込むことができる。

 各種シミュレータとの連携も可能で、ドライブシミュレータで運転者の視点をチェックし、ログを収集して道路設計を評価できる。

 そのほか、国土交通省の「3次元モデル表記標準(案)」に基づく3Dアノテーション(3DA)対応の設計ソフトや積算ソフト、それらと連携して会計管理が行えるクラウドシステムもリリースしている。

 最近では、UC-win/RoadとVISSIM(交通解析システム)のリアルタイム連携を可能にするプラグインや3次元施工の流れと工程をVRで確認できる4Dシミュレーション機能をリリースした。今後は、全体構造一般図の生成や地層表面への対応も予定している。

 毎年秋にデザインフェスティバルを開催し、事例紹介やVRシミュレーションコンテストが好評を得ている。今年も11月18~20日に、オンラインと会場のハイブリッドで開催する。今回は国交省より「i-Construction推進」、内閣官房国土強靭化推進室より「国土強靭化に向けた取組」をテーマとして講演いただく予定だ。




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