【日刊建設通信新聞社主催】第4回 BIM/CIM LIVE2020⑤ | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【日刊建設通信新聞社主催】第4回 BIM/CIM LIVE2020⑤

日本オラクル/66%のレポート時間削減/建設&エンジニアリンググローバル事業本部イノベーション戦略担当ヴァイスプレジデント アンディベロン氏

 イノベーション戦略、マーケットセグメンテーション、公共セクターにおけるソリューションと、われわれのビジョンと戦略を紹介する。

 イノベーション戦略では、構築、買収、レバレッジ、パートナー、スタートアップ、顧客の6つの柱を掲げ、中でも顧客を重視している。建設現場で活用するパートナーの紹介だけでなく、私たちのイノベーションを加速し開発の指針を与えてくれるからだ。

 6つの柱に基づき、われわれは文書・モデル管理、スケジュール・コスト管理などのソリューションを、強固な共通データ環境(CDE)の上に構築している。蓄積データはデータサイエンスによって抽出・分析する。また、現場管理ツールを提供する会社や、進捗管理をサポートするスタートアップなどとの協業を含め、多くのサービスを提供できる体制が整った。

 マーケットセグメンテーションでは、公共インフラ、住宅・商業ビル、エネルギー、製造業について、差別化要素や業界特性などを詳細検討してきた。それらすべてのセグメントに対して、オーナー側にも建設会社側にも有用な『Unifier』『Aconex』『Primavera Cloud』などののソリューションも用意している。

 公共のインフラプロジェクトでは、近年PPP案件などより複雑なプロジェクトが増加しており、依然効率性や資金源の多様化など改善の余地が多い。みなさんの参画があれば、大きな変革を実現できるだろう。

 最後に、いくつかの成功例を紹介する。WINSONは『Oracle Primavera』と『Unifier』を導入し、66%のレポート時間削減を達成した。『Aconex』の導入で、中国建設は120万件の安全レコードを管理し、Connect Plusは30のプロセスを7つに縮減して1人当たりの仕事時間を月に48時間節約した。


オートデスク/社内の知見を蓄積し横展開/技術営業本部建設ソリューションスペシャリスト 植田 祐司氏/技術営業本部建設ソリューションスペシャリスト 日下部達哉氏

 Dynamoとは、オートデスクが提供する建設業界向けのビジュアルプログラミングツールである。コードを書くのではく、関数(ノード)を線(ワイヤ)でつないでプログラミングを行い、ボタンを押すだけで実行が可能となる。このうちDynamo Playerでは、誰かが作成したプログラムの中身を知らずにワンクリックで使用できる。

 現状では、計算と作図の「ツール」と「人材」が分断され、設計の初期段階でBIM/CIMが活用できないという課題がある。また、ツールの学習コストが高く、横展開が難しく、社内にBIM/CIMの知見が蓄積されない。

 Dynamo Playerでは、設計者がBIM/CIMに触れることができ、社内に知見を蓄積していくことができる。実際にDynamoを使用すると、どれだけ設計プロセスが効率化されるのか事例を紹介したい。A社の例では、まず、社内技術者50人が3D地層モデルを作成できるようにしたいと考えた。プログラムは1人で3カ月をかけて作成した上で、Dynamoを利用して作業を実際に作業は2週間から2日に短縮することができた。トレーニング時間も7日から1日に短縮するなど、プログラム作成期間を考慮しても大幅に効率化できた。

 Dynamoの使用方法の例としては、Civil3Dの地すべりモデルから法枠を自動で作成できる。さらにRevitの擁壁モデルをCivil3Dの道路端に沿って自動配置できる。また、Revitで橋台モデルの作成を行った上で、Excelの構造計算結果を読み取り、自動で配筋や修正を行うことも可能だ。

 Dynamoを学ぶ方法としては、「基本的なチュートリアルがほしい」「発展的なチュートリアルがほしい」など学習リソースがサイト上で公開されているので、ぜひご覧頂きたい。




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