【ICT施工普及】「埼玉県地域建設業ICT推進検討協議会」発足 アクションプラン作成へ | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【ICT施工普及】「埼玉県地域建設業ICT推進検討協議会」発足 アクションプラン作成へ

 官民が協働してICT施工の普及促進を図る『埼玉県地域建設業ICT推進検討協議会』が27日に発足した。埼玉県建設業協会青年経営者部会(平岩敏和部会長)の提案に関東地方整備局が応じて発足したもので、埼玉県とさいたま市を加えた計4者で地域に根差した建設業におけるICT活用の裾野を広げる取り組みを展開する。同日の議論なども踏まえ、2020年度内に開く2回目の会合で施策や目標などを盛り込んだアクションプランをまとめる予定だ。

 担い手不足が深刻となる中、建設産業界の働き方改革と生産性向上の実現にICT施工の早期普及が喫緊の課題となっている。

 ICT施工は19年度実績で直轄工事の約8割で適用が進むが、地方公共団体発注工事の適用件数は少ない。

 大型の土工が中心の直轄工事と比較して、地方公共団体の工事は小規模な工事が多いことが適用が進まない要因として挙がる。また、衛星電波などを使用することから、特に都市部では普及が進みづらいという声もある。

 こうした現状を踏まえつつ、協議会は、地域の発注者、建設業協会それぞれのICT活用にかかる課題を共有し、課題を踏まえた普及促進の取り組みを検討・試行する。

 初会合で整備局は、施策のイメージとして必要なソフト・ハードを自社で所有するなどの内製化(協会)や地域に即した普及促進目標・指標の立案(発注者)、3Dデータ作成作業外注費・歩掛の標準化(同)、適切な経費の把握(同)などを提示した。

 アクションプランは実務レベルでの意見交換などで適宜見直す。先導的なモデルケースを構築し、ここで得た知見を他の都県などに水平展開する構想を描く。

 ウェブ方式で開いた初会合で会長に就いた整備局の岩崎福久企画部長は、「BIM/CIM全面活用やインフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進という流れの中でICTの活用はその基礎だ。早期に広げる必要がある」と力を込めた。

 続いて平岩部会長は「(ICT施工は)働き方改革の推進にもつながり、大きな力になると実感している。われわれが業界の窓口となって取り組みたい」とあいさつした。

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