【迅速・容易・詳細に状況把握】日立製作所 空撮映像から災害状況を高精度解析するAI開発 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

公式ブログ

【迅速・容易・詳細に状況把握】日立製作所 空撮映像から災害状況を高精度解析するAI開発

 日立製作所は、ドローンやヘリコプターによる空撮映像から、災害状況を高精度に解析できるAI(人工知能)技術を開発した。災害発生時、人がすぐにはたどり着けない現場の状況をより迅速・容易・詳細に把握できる。

映像解析のイメージ


 以前から、空撮映像とAIを活用した映像の自動解析は進められていたが、災害状況を解析するときは、災害によっては学習データ数が少なく認識精度に影響が出るという課題があった。広範囲を撮影した映像では、特定したいものが非常に小さく映っていたり、浸水家屋、橋梁倒壊、地滑りなどいろいろな災害状況が同時に映っていたりして、起きている状況をAIが正しく認識するのが困難だった。

 日立製作所は、今回の技術によって、映像内に映るものが複数でもそれらのものを同時に高精度で認識すること、広範囲を撮影した映像の中から人の目で見つけにくい小さなものを見つけられる。また、地滑りなどサンプル数が少なくAIによる学習が困難な災害や、見逃し・誤分類などの誤った情報を多く含む学習サンプルに対応して、AI学習で判断が難しい災害状況でも誤認識や見逃しを減らす改良も実現した。

 今回の技術は、米国立標準技術研究所が主催する映像解析のワークショップ「TRECVID(TREC Video Retrieval Evaluation)2020」のうち、災害映像解析のタスク(課題)でトップレベルの認識精度を達成した。



建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら