【SDGsを体現】清水建設東北支店新社屋が竣工 コンセプトは"人が活きる新しいオフィス" | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【SDGsを体現】清水建設東北支店新社屋が竣工 コンセプトは”人が活きる新しいオフィス”

 清水建設東北支店(清水康次郎執行役員支店長)が、自社の設計施工で仙台市内に建設を進めてきた新社屋が2日に竣工した。「人が活きる新しいオフィス」をコンセプトに、新型コロナウイルス感染症対策に有効な空調システムや大地震に強い免震システムなどの各種先端技術を備える。BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の「Nearly ZEB」認証を取得したほか、今後はLEED(環境性能評価システム)とWELL(健康建築性能評価制度)ともにプラチナ認証の取得を目指す。8日から業務を開始し、「東北地方における先端的なオフィスのショールーム」としても活用する考えだ。

 3代目となる新社屋は、1971年に完成した2代目社屋の老朽・狭あい化を受けて同市青葉区木町通1-4-7の現地で建て替えた。2019年11月に着工し、2月12日に完成した。

清水建設東北支店新社屋の外観


 規模はS・RC一部SRC造地下1階地上6階建て延べ5588㎡。1階はエントランスや応接室、2階は会議室と関連会社が入居する。執務室は3階が幹部や事務・営業系、4~5階は技術系。6階は食堂・ラウンジや半屋外空間の“杜のテラス”で、機械室と駐車場を地下に設けた。

 設計に当たっては「シミズが創るSDGs(持続可能な開発目標)」の方針のもと「健康」「省エネ」「働き方」「防災」を主テーマとした。

 防災では、自社技術を組み合わせた高品質な構造計画とし、大地震が繰り返される地域の特性を踏まえて、2階フロア下に12基の柱頭免震装置を設置。執務階の揺れを震度階で2段階以上低減させ、事業継続性を高める。また、地震時に天井の落下を回避する“天井レス”とし、各階で仕上げが異なるショールーム機能も持たせた。さらに太陽光発電と自家発電設備の連携で建物内に必要な電力を72時間供給できるほか、約2000人分の水や食料、仮設資材なども備蓄している。

 省エネの取り組みでは、“仙台七夕祭りの吹き流し”をモチーフとするガラス面に、仙台の“卓越風”をつかまえる端部開放型のダブルサッシを使うとともに、躯体蓄熱の熱量を保護するための外断熱工法も採用している。

 また、地中にある豊富な井水脈を空調熱源システムに活用。吹き出し空調と地中熱利用、躯体蓄熱放射の3システムを中心に、他の省エネ・創エネ技術と組み合わせて75%超の省エネを実現する。

 執務室は外郭構造とブレース入りのコアによる明確な平面構成を打ち出し、家具や壁、床には地場産材を活用。多様な打ち合わせスペースに加えて、感染症対策としてウェブ会議用小ブースなども設けた。机の下には風量調整機能付き床吹出口を備え、空調外気が床全面から押し上げる置換換気方式で、新鮮な外気を供給。マクロ飛沫を人の呼吸域から効果的に除去する役割も果たす。

執務室は各階で天井仕上げや打ち合わせスペースが異なる


 竣工に先立ち1日には報道陣に新社屋を公開した。席上、清水支店長は「地震に強い、新型コロナに負けないという2つの大きな目標を掲げた。BCP(事業継続計画)を担保する免震システムやSDGsに有効な次世代オフィスシステムとしてお客さまの事業に貢献したい」と語った。

あいさつする清水支店長



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