【建設キャリアアップシステム】地域建設業での普及・定着へ 沼田土建が始めた新たな試み | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【建設キャリアアップシステム】地域建設業での普及・定着へ 沼田土建が始めた新たな試み

 群馬県建設業協会の青柳剛会長が社長を務める沼田土建(群馬県沼田市)が、地域建設業での建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及・定着に向けた新たな試みを始めた。CCUSの本丸と言える技能者の登録料を直接的に補助する。1社10人までを上限に、1人当たり2000円を同社協力会組織から拠出する。6月以降には、青柳会長が支部長を兼ねる群馬建協沼田支部でも、同様の助成制度を立ち上げる見通しだ。

 沼田土建は15日、CCUSのオンライン講習会を開いた。同社から約60人、協力会社から約30人が参加した。建設業振興基金建設キャリアアップシステム事業本部の上浪鉄郎審議役を講師に招き、協力会社とともにCCUSへの理解を深めた。

 開会に当たり同社の武田寛副社長は「CCUSの義務化への流れが加速している。群馬県発注工事でも適用が拡大され、今年度は県内全体で168件以上のモデル工事の実施が目標とされている。総合評価でも加点対象になる。今後、各発注者でこのような流れになるのは確実だろう。土木、建築いずれの協力会社も、この機会に登録をしてほしい」と呼び掛けた。

 CCUSの技能者登録料は、簡略型が2500円、詳細型が4900円に設定されている。沼田土建は型式を問わず、1人2000円を補助する。青柳会長は「ここ(技能者)にアプローチしなければ意味がない」と指摘した上で、「まずは自分の会社で形を見せることにした。次に支部へと広げ、いずれ県内全体の動きになれば」と展望する。

 群馬建協沼田支部は2020年11月に、すべての会員21社がCCUSに事業者登録することを機関決定し、21年2月までに完了させている。支部会員全員で運営する利根沼田建設事業協同組合が、登録料やカードリーダー設置費用などを助成する枠組みを構築しており、今後は協力会社の技能者登録料も補助対象に追加する方針だ。現場を運営する元請け企業に加え、CCUSの主役たる技能者の登録を促し、運用体制の両輪を確立。地域ぐるみでの活用に取り組み、新3K(給料・休日・希望)の実現を目指す。



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