【BIM2021】日本ファブテック 外装、エレベーターの共通フォーマット | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【BIM2021】日本ファブテック 外装、エレベーターの共通フォーマット

 BIM標準化の潮流が進む中、大規模プロジェクトを中心に鉄骨ファブリケーターも対応が求められている。日本ファブテックは、大規模プロジェクトの豊富な実績を背景に、BIM対応鉄骨専用CAD「KAPシステム」の機能を強化している。新機能となる「KAPクラウド」やRFID(電波個体識別)を活用した生産管理システムなどで、鉄骨ファブなどユーザーの業務効率化を強力にサポートしていく。

 新機能のKAPクラウドは、各入力データをクラウドに集約し、世界中のどこからでもアクセスして、追加や修正作業などを同時並行で行うことが可能である。KAPシステムは鉄骨数量10万tを超える大規模プロジェクトに適用されることもあり、鉄骨の複雑な収まりや大型案件向けに充実させた機能の1つだ。

ファスナーデータをインポートしたモデル


 また、「Shimz One BIM」の一環として清水建設が開発した「KAP For Revit」の取り組みでは、日本ファブテックは積算業務を担っており、2020年度に手掛けた鉄骨数量の総計は約60万tに及ぶ。コロナ禍が続く中、21年度も60万t前後の積算量が想定され、RevitからKAPシステムへのデータ変換率を高めるなど機能のブラッシュアップを図っている。

 一方、データ連携を円滑化する取り組みも継続して進めている。これまで鉄骨スリーブ配置情報のデータフォーマット化を各設備CADと実現し、定着させてきた。現在はカーテンウォールなどの外装やエレベーターのファスナーの連携フォーマット化に取り組んでいる。播磨裕敏鉄構事業本部KAP・EGリング事業部長は「大手ゼネコンや主要メーカーの参画のもと連携フォーマットを策定している。近々の完成を目指し、KAPのメニュー化を図る」と説明する。

 またKAPシステムに入力した部材データを生産管理システムに活用している。流通状況の把握やトレーサビリティーの確保、工事の進捗に合わせたジャストインタイム納品に貢献するシステムとして開発したもので、ウェブアプリを活用して工場や現場の生産管理状況を把握する。

 部材管理にはQRコードのラベルシートを活用するほか、現在はRFID関係の開発を進めており、資材に貼り付ければ専用の機器でまとめてデータを読み込むことができ大幅な業務効率化につながる。

 同社は6月23日にウェブセミナー「KAPシステムSolution Day 2021」を開催し、最新情報を紹介する予定だ。



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