【史跡高松城跡桜御門復元整備工事】宮大工の伝統儀式で桜御門上棟祝う/清水建設 | 建設通信新聞Digital

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【史跡高松城跡桜御門復元整備工事】宮大工の伝統儀式で桜御門上棟祝う/清水建設

 清水建設が進めている高松城跡桜御門(高松市玉藻町)の復元整備工事が6日に上棟を迎えた。工事関係者が鎌倉時代の武士やかつての大工が着用したような伝統的な装束をまとって、宮大工の伝統儀式である工匠(こうしょう)式を開いて伝統建築の上棟を祝った。

曳綱の儀


 「史跡高松城跡桜御門復元整備工事」(発注者=高松市)の工期は2022年1月28日まで。1945年の高松空襲で焼失した木造2階建て延べ57㎡(幅約12m、高さ約9m)の高松城跡桜御門を伝統木造技術を使って復元する。設計は文化財保存計画協会が担当した。

 桜御門の木材使用量は約60m3。1階の鏡柱と表冠木(梁)に福井県産のケヤキ材、2階の柱・梁に岩手県産の松材を使う。木材を継ぎ足して一体化する「継手」や、柱・梁を組み合わせて一体化する「仕口」といった伝統木造技術の加工方法に倣って、経験豊富な6人の宮大工が腕を振るう。

 6日に執り行われた工匠式は、工匠(宮大工)たちが儀式を造営した建物が末永く安泰であることを祈念する、平安時代に始まったとされる伝統の儀式。主に棟木を綱で引き上げる「曳綱(ひきづな)の儀」や棟木を屋根の一番高い位置に組み納める「槌打(つちうち)の儀」を行う。

鎚打の儀


 最大の見どころである槌打の儀で、降り弊役を務める宮大工の棟梁・社寺建の佐伯安俊氏が建物の安泰を祈って「千歳棟」「万歳棟」「永永棟」と声高らかに発声。そのかけ声に合わせて棟に上がった工匠3人が槌で棟木を打ち付けて上棟を祝った。



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