【照明設計を支援、BIMシミュレーション効率化】パナソニック・ライフソリューションズ社がソフト無償提供 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【照明設計を支援、BIMシミュレーション効率化】パナソニック・ライフソリューションズ社がソフト無償提供

 パナソニック・ライフソリューションズ社は、主に商業施設の照明設計を支援するため、BIMの3Dデータ上で照明シミュレーションなどを効率化するソフトウェア「Lightning Flow (ライトニングフロー)」を21日にアップデートし、本格展開を始める。提供は、照明器具拡販のため無償とした。



 従来、施設の使用目的や環境などに合わせて、配置する照明の種類、明るさ、台数などをデザインする照明設計では、照明そのものや太陽の光の反射、光色の影響など、配置された光源と周囲の物体が複雑に影響して、正確な見え方の再現が難しかった。また、現在のシミュレーションソフトでは、照明配置などを修正するたびに、BIMとの間で膨大なデータ処理時間がかかる課題もあった。

 ライトニングフローは、同社が独自開発した高速相互反射計算システムを使い、BIMの3Dデータ上に配置した照明の光の効果をリアルタイムに反映、確認できる。オートデスク社の「Revit」と連携し、照明器具の配光や取り付け方向、周辺の物体への反射、太陽光の影響などを3Dデータ上で確認しながら照明設計が可能になる。作業効率化のほか、アニメーション動画作成などの機能で、完成イメージの共有も支援する。

 同ソフトは3月から試験公開しており、今回のアップデートで本格展開を始める。ライトニングフロー用に最適化したパナソニック・ライフソリューションズ社の約2万種の照明器具データや、同社の照明設計ソフトウェア「ルミナスプランナー」との相互連携機能を追加した。

 5月31日の会見で、同ソフト開発責任者の高島深志ライティング事業部エンジニアリングセンター主幹は「当社照明器具の拡販や、照明設計をする人の増加につなげるため、同ソフトは無償で提供する。機能面では、国際照明委員会(CIE)の評価基準に則した精度のシミュレーション結果をリアルタイムに出せる点で、他社に先行していると思う」と意義を説明した。



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