【(仮称)低周波音用・軽量防音パネルを開発】加圧膜利用で軽量 東急建設、旭機工、松陽産業 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【(仮称)低周波音用・軽量防音パネルを開発】加圧膜利用で軽量 東急建設、旭機工、松陽産業

 東急建設は、旭機工(東京都豊島区、奥畑栄一代表取締役)、松陽産業(大阪市、竹内和彦代表取締役)と、加圧膜を利用し軽量な「(仮称)低周波音用・軽量防音パネル」を共同開発した。同社施工のトンネル発破掘削工事現場に試験適用し、コンクリートパネルを設置した個所と同程度の遮音効果があることを確認している。

(仮称)低周波音用・軽量防音パネルの構成図


 同パネルは、鳥取大学元教授の西村正治氏の考案による加圧膜を利用した軽量遮音構造(MSI・Membrane Sound Insulator)と、鋼板の組み合わせによって、軽量ながら低音から高音までの広範な音域で遮音性能を確保できる。MSIに桟を設けること(特許出願中)により、剛性に依存する遮音領域をチューニングさせることができ、低音域における遮音性能の広帯域化を実現している。

 重さは、1枚当たり約50㎏(パネルサイズ495mm×1980mm)で、低周波音対策に従来用いられてきたコンクリートパネル(150mm厚)の約6分の1の重量で低周波音を軽減できる。

 施工は、従来の防音ハウスや防音壁などと同様のパネルを落とし込んで施工する、シンプルで容易な「落とし込み工法」を採用し、高い施工性を実現。パネルが軽いことから、揚重機や搬出入時のトラックをサイズダウンでき、運搬時の安全性、コストメリットも高まる。

 低周波音に対して10dB程度以上の遮音効果が得られることを同社技術研究所の実験施設で確認している。現在、工事現場での適用拡大に向けて、技術研究所内に小型の防音ハウスを試作し、耐候性と施工性を検証している。

 今後は、トンネル発破掘削工事の防音扉、住宅に近接するシールドトンネル工事現場(泥水処理用の振動ふるいの防音ハウス)、建設現場や工場に設置された発電機の防音対策などでの実績を増やしながら、都市部で発生するさまざまな騒音対策への活用も視野に入れ、展開していく予定だ。


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