【記者座談会】市場区分見直しで基準適合通知/社長安全パトロール | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【記者座談会】市場区分見直しで基準適合通知/社長安全パトロール

 東京証券取引所が、2022年4月4日からの市場区分の見直しに向け、上場会社に対して上場維持基準への適合状況を通知した。

 報道では、「一部上場の3割の企業がプライム市場の基準に該当しない」ということだった。間違っていないのだけど、東証の発表は「上場3738社のうちプライム、スタンダード、グロースのいずれかの市場の上場維持基準に抵触する(基準を満たさない)企業は965社で、東証一部の上場企業2191社の中で、いずれかの市場の上場維持基準に抵触する企業は664社」という内容だったようだ。業種別や個別企業の状況は明らかにしていない。

 スタンダード市場の上場維持基準をより厳しくしたのがプライム市場なので、スタンダードの基準を満たしていなければプライムの基準も満たしていないことになる。だから結局、プライム市場の基準を満たしていないのが664社ということで間違いではない。

 上場維持基準を満たさないと判定された企業でも、純投資目的で保有された株式などを勘案すれば基準を満たす企業や直近の基準日では基準を満たす場合は、選択申請予定日の1週間前までに所定の書類で報告すれば適合状況の2次判定を受けられる。その後、9月1日から12月30日までどの市場を選択するかの書類を提出する。この時にまだ上場維持基準を満たしていない場合も、「上場維持基準への適合に向けた計画書」を開示すれば、経過措置を受けられる。新市場区分の選択結果は、22年1月11日に発表される予定だ。

 一部上場の建設会社は、やはりプライム市場への上場を目指す企業が多く、各社とも株式の流動化に向けた政策保有株の売却など対応を急いでいる。

社長が現場を訪問する意義改めて認識



鹿島の社長安全パトロール。大雨の中でもリアルで開催した



 ところで、ことしも1日から7日までの全国安全週間にあわせ、ゼネコン各社の社長が現場安全パトロールを実施した。

 昨年に引き続き、最大のテーマは新型コロナウイルス感染症防止対策と熱中症対策の両立だった。ただ、コロナ対策も手探りで出口も見えなかった昨年と異なり、ワクチン接種の進捗によって終わりが見えてきたことから、「あともう少し(マスクなどのコロナ対策を)続けてほしい」と、しばらくの辛抱であることを強調する言葉が印象的だった。一方で、「ワクチン接種が進むことで気が緩むことも心配。油断しないように社内に通知した」と、もう一度引き締めを図った社長もいた。

 昨年はオンラインパトロールを実施した会社もあったが、今回はほとんどの企業が実際に現場に出向いてパトロールしたのが印象的だった。「昨年からテレワークを実施してきた結果、やはりオンラインではコミュニケーション不足に陥ることが分かった」と、オンラインとリアルで実施すべきことの仕分けを進めた会社もあり、社長パトロールは“リアルで実施すべきこと”という判断に至った企業が多かったのだろう。

 一昨年までの社長安全パトロールは、儀式的な要素が強くなっていた面は否めない。でも、社長が実際に現場を訪問し、気になる点を指摘したりすると、社員や職長・作業員も気が引き締まるのは間違いない。現場の若手社員や職長との貴重な交流の機会と考えている社長も少なくない。コロナ禍を機に、現場を社長が訪問する意義を改めて確認できたと言える。



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