【香川県立石田高等学校の受検者全員が1次突破!】2級土木技術検定 課外授業などの努力実る | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【香川県立石田高等学校の受検者全員が1次突破!】2級土木技術検定 課外授業などの努力実る



合格した生徒たち

 香川県さぬき市の学び舎で将来の郷土を担う人材を育てる香川県立石田高等学校。全国建設研修センター(CIC)が6月に実施した「2021年度2級土木施工管理技術検定」の第1次検定に、同校農業土木科3年の受検者全員が合格した。初の快挙を達成したことについて北堀礼子校長は、「受検は団体戦。放課後の時間もいとわず教えてくれた教諭陣の姿勢と、それを受け取った生徒たちの努力がかみ合った結果」と喜びを口にする。

 土木施工管理技術検定は1次の学科試験に合格すれば土木施工管理技士補の資格が与えられる。さらに3年の実務経験を積んで受検できる2次の実地試験に通れば土木施工管理技士として主任技術者になることができる。建設企業が公共工事を受注するには、監理技術者や主任技術者と呼ばれる現場監督を配置しなければいけない。土木施工管理技士はその監督になる必須の資格となっている。

 1次試験は17歳以上であれば受検でき、合格率は全国平均で60-70%で推移している。指導を担当した赤木和也教諭は「土木業界で働く人にとって重要な資格」と位置付けた上で、「就職後に受検・取得する道もあるが、ハードワークの中で勉強時間を確保するのは難しい。学生時代に取得すれば、勉強してきた“証”として就職活動が有利になる」とメリットを挙げる。

 農業土木科の生徒は30人。このうち試験に挑んだ24人は連日、土工やコンクリートに関する知識のほか、建設業法や道路法、河川法など法律の勉強に取り組んできた。生徒らは「単語や法律など最初はまったく分からなかったので基礎を覚えるのが大変だった」と口にする。

 今春からは全員で放課後の課外授業も始めた。赤木教諭は「土木が好きで勉強意欲が高く、良く頑張るクラスだった」と振り返る。例年10人程度だった受検者はことし24人に増えた。1次合格は12年経過すると効果が切れるため、業界に就職する意思のある生徒だけが受検していた。それが改正建設業法によって技士補が誕生し、1次合格は無期限で有効になった。指導に当たる祖父江陵教諭は、「最初は考えていなかったが、資格取得をきっかけに土木の道に進んだ生徒もいる」と明かす。

北堀校長


 担い手確保に向けて危機感を持つ企業や団体が学校を訪れることも多い。北堀校長は若者志向に業界が変わらなければならないと指摘する。「いまの生徒は休日が何日あるかや福利厚生を気にする。そこを改善しなければ」と“現場”からのメッセージ発信を欠かさない。「石田高校はエッセンシャルワーカーの育成が使命で、地域に根差した学校。最大の特徴である実地に即した学びを生かした仕事に就き、世の中に貢献してほしい」と願う。地元志向が強く、同校OBも多く活躍している。「良いモデルを見て、後に続いてほしい」と期待する。生徒も「第2次試験合格を目指して実務経験を積み、最終的には1級に合格できるよう頑張りたい」と意気込む。



 

  

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