【施工速度は1.5倍】トンネル補修用の足場開発 大林組 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【施工速度は1.5倍】トンネル補修用の足場開発 大林組

トラック搭載型「フラップリフト」


 大林組は、トンネルの補修・補強工事用のトラック積載型システム足場「フラップリフト」を開発した=写真。補修長さ100mの2車線トンネルの場合、交通規制日数を80日から52日に短縮でき、施工速度が1.5倍上がる。NEXCO東日本発注のトンネル工事に適用した。

 トンネル覆工コンクリートの補修・補強工事では、足場として高所作業車を使用する。1台当たりの作業床の面積が長さ3m、幅1.5mと狭く、作業個所にあわせて頻繁に移動する必要がある。近年、一般的な補修工法となっている繊維シート接着工法の場合、長尺シートを覆工コンクリートに貼り付ける際に作業に時間がかかる上、高所作業車の稼働のタイミングを品質点検・確認作業と調整する必要がある。

 フリップフラットは、トンネル1スパン分(10.5m)の半断面の作業床を確保できるシステム足場で、大型トラック(15t積み)に搭載して搬入してトラックの荷台上で足場を展開できる。足場の移動・再設置時間を短縮できる上、上・中・下の3段の作業場が確保でき、アーチ状の壁に作業員が自由に動いて接近できる。

 トンネル1スパン分を連続したシームレスな構造に仕上げられるほか、施工前の調査・点検、施工完了時の再点検・補修も容易になる。フラップリフト全体を天井までシートで囲えば作業個所の温度・湿度の制御が可能で、品質管理基準で定められた材料の品質を確保できる。


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