大林組は、天井と空調機の両方の耐震性向上を実現する天井制振構法「ロータリーダンパー天井制振システム」を開発した。耐震天井と比較してコストを約3割削減できる。日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得した。天井制振技術の建築技術性能証明は、「日本初」としている。
天井と空調機の衝突は、重さや硬さの違いによって揺れ方が違うために起こる。ロータリーダンパー天井制振システムは、ブレースのない天井と山形鋼で補強した空調機をダンパーで接続することで、地震時の揺れを吸収し、衝突を回避する。天井の揺れも抑制でき、天井周辺の壁などへの衝突も回避できる。ダンパーが揺れを吸収するため、耐震天井で使う天井ブレースを配置する必要がない。
ブレースがないため、天井裏の機器類・配管・ラックなどの配置の自由度が高まるほか、ダンパーが揺れを吸収することで、ダンパー周辺以外の天井用接続金物に耐震性の高い金物を使用する必要がなくなる。これらによって、耐震天井と比べてコストを約30%削減できる。