淀川製鋼所が所有する国の重要指定文化財「ヨドコウ迎賓館」(旧山邑家住宅、兵庫県芦屋市)で開かれている「世界遺産の建築ミニチュア展」が好評を得ている。

来館者は世界旅行気分を味わえる
コロナ禍で、海外への渡航が制限される中、来館者が世界旅行気分を感じる内容となっている。新型コロナウイルス対策として、入場制限を行う中でも、土日は250人ほどの来場がある人気ぶりだ。同館の岩井忠之館長は「低い位置で展示しているため、子どもにも見やすくなっている。建築に興味を持つきっかけにしてほしい」としている。
ヨドコウ迎賓館は、近代建築の三大巨匠の一人として知られるライトの設計で、日本に残る数少ない作品である。灘の酒造家・山邑太左衛門の別邸として1924年に建てられ、その後、淀川製鋼所の所有となり、74年に国の重要文化財に指定された。89年からは一般公開されている。
ライトが手掛けた米国の8作品がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されており、同館は追加登録の候補として挙がっている。「当館はシンメトリー(左右対称)などライトの建築の特徴が残っている。建物もぜひ見ていただきたい。ミニチュア展で世界遺産登録への機運が高まれば」(岩井館長)。

岩井館長
ミニチュア展は31日まで開催されている。開館日は水、土、日、祝日。開館時間は午前10時から午後4時(入館は午後3時30分)まで。入館料は、一般500円、小中高生200円、65歳以上400円(要証明提示)。
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