【ICT施工の完全体験型講習を開始「とりあえず触ってみる」がコンセプト】PEO建機教習センタ | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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【ICT施工の完全体験型講習を開始「とりあえず触ってみる」がコンセプト】PEO建機教習センタ

 PEO建機教習センタ(PCT、東京都千代田区、足立真哉社長)は、国土交通省が推進するi-ConstructionのICT施工を学ぶ建設業向けに、茨城県ひたちなか市で「完全体験型」の施工講習をスタートした。トータルステーションやGNSS(衛星測位システム)など測量機器の取り扱いのほか、ICT建機を自ら設定して動かしたり、自分で施工用の3次元データを作成するなど「とりあえず触ってみる」をコンセプトにしている。 PCTは、人材派遣のアウトソーシング(東京都千代田区、土井春彦社長)の子会社であるPEOと、日立建機が立ち上げた建機の教習機関。建設機械の技能講習、特別教育などをしながらICT施工講習も手掛ける。

 2016年度にスタートしたi-Conは5年間で成長を続け、直轄土木工事でICT施工の公告件数、実施件数はともに増加している。2020年度は公告件数の約8割で実施している一方、地方自治体へのICT施工導入は2割程度にとどまり、地域建設業への普及・教育が課題となっている。ICT施工の導入教育は、発注者や日本建設機械施工協会(JCMA)が主催するものやメーカー主導のものが進んでいるが、座学や建設機械を見るだけのものが多い。このためPCTは、実際のICT施工ツールに触って体で覚えてもらうことをコンセプトに、「実践!アイコンストラクション講習」を7月から始めた。
 日立建機がひたちなか市に保有するICTデモサイトの機器を有効活用し、低価格で実体験できる講習環境を構築した。ICTデモサイトは、日立建機の3次元マシンコントロール建機や各種測量機器も保有し、安価な講習参加費で実体験ができるのが特徴だ。

講習で実際にドローンを操作する受講者

 実践アイコンストラクション講習は全5回で構成する。具体的には、▽情報化施工のための基礎知識(座学による基本講習)▽現場準備(トータルステーションとGNSSローバーを使った現場計測)▽写真測量と点群生成(実際にドローンを飛ばしてデモサイトの写真を撮影して現場の3次元点群を作成する)▽3次元設計データ作成(2次元の発注図面から建機に搭載する立体データを作成し、3次元点群の起工測量データと比較して土量算出する)▽ICT建機操作(自分で作成したデータを建機に搭載してマシンコントロールによる施工を行う)――を体験できる。
 PCTの小川正恭ICT事業部長は「講習会を立ち上げるまでは、教材の作成や各所との調整など苦労も多かったが、地域建設業などICT施工に取り組もうと思っている方々に受講してほしい」と力を込める。

 講習会の参加費用は、全5回の受講で10万4500円(税込み)。それぞれのパートだけを受講することもできる。



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